これでスッキリ伝わる!新社会人のための結論先出し報連相ステップ
ビジネスシーンにおける報連相では、「結論から先に話す」ことが非常に重要とされています。新社会人の方々の中には、出来事を時系列に沿って話してしまう方がいらっしゃるかもしれませんが、情報を効率的かつ正確に伝えるためには、この「結論先出し」のスキルが役立ちます。
結論から話すことには、いくつかのメリットがあります。まず、相手は最初に最も重要な情報を把握できるため、その後の話の内容を理解しやすくなります。また、限られた時間の中で要点を伝えることができるため、相手の時間を尊重することにもつながります。さらに、話の全体像が明確になるため、誤解を防ぎやすくなるという効果も期待できます。
ここでは、新社会人の方がすぐに実践できる、結論から話す報連相のステップを解説します。
ステップ1:何が最も伝えたいことか?結論を明確にする
報連相を行う前に、まず「自分がこの報連相で最も伝えたいことは何か?」を考えましょう。これが「結論」となります。
- 報告であれば、「〇〇の作業が完了しました」「△△に問題が発生しました」といった、事実や状況の核心部分です。
- 連絡であれば、「明日の会議は10時に変更になりました」といった、相手に知っておいてほしい情報です。
- 相談であれば、「□□の件で判断に迷っています」「どう進めれば良いかアドバイスをいただきたいです」といった、相手に何をしてほしいか、何について知りたいかです。
話したい内容を頭の中で整理し、一番大切な要点を最初に特定する練習をしましょう。
ステップ2:結論を最初の短い一文で伝える
特定した結論を、話の冒頭で簡潔に伝えます。接続詞(「なので」「したがって」など)を使わず、単刀直入に始めることを意識しましょう。
例えば、 * 「〇〇の件でご報告します。先週ご依頼いただいた資料作成が完了しました。」 * 「明日の打ち合わせについてご連絡です。開始時間が10時からに変更になりました。」 * 「△△の対応についてご相談させてください。この件、A案とB案で迷っております。」
このように、最初に結論や話の目的を明確にすることで、相手はすぐに何についての報連相なのかを理解できます。
ステップ3:結論に至った経緯や詳細を説明する
結論を伝えた後で、その結論に至った背景、具体的な状況、関連情報などを補足します。この時も、聞き手が理解しやすいように、情報を整理して順序立てて話すことが重要です。
- 時系列に沿って説明する必要がある場合は、「まず〇〇をして、次に△△を確認したところ、□□という状況でした」のように、段階を追って話します。
- 数字やデータを示す場合は、正確に伝え、必要に応じて資料なども活用します。
- 専門用語を使う場合は、相手が理解できるか配慮し、必要に応じて分かりやすく言い換えます。
重要なのは、あくまで結論を補強するための情報として伝えることです。話が脱線しないように気をつけましょう。
ステップ4:必要に応じて意見や提案、今後の見通しを伝える(主に相談時)
相談の場合や、報告に続けて自分の考えを伝える必要がある場合は、結論と詳細の後に自分の意見や提案を伝えます。
- 「私はA案が良いと考えております。理由は〇〇だからです。」
- 「今後の対応としましては、△△を進めたいと考えております。」
このように、結論、詳細、意見・提案という流れで話すことで、相手は論理的に情報を把握しやすくなります。
具体的な会話例
ここでは、結論から話す報連相の具体的な会話例をいくつかご紹介します。
例1:進捗報告
結論先出しの場合: あなた:「〇〇プロジェクトの進捗についてご報告します。予定通り、設計フェーズが完了いたしました。」 上司:「お、完了したんですね。ありがとうございます。」 あなた:「はい。現在は次の開発フェーズに入っており、担当の△△さんが作業を開始しています。来週中には最初のモジュールが完成する見込みです。」
経緯から話しがちな場合(改善の余地あり): あなた:「〇〇プロジェクトのことなんですが、先週から設計フェーズを進めていまして、色々と確認作業があったり、△△さんと打ち合わせをしたりした結果、今日全て終えることができました。」 上司:「つまり、設計は完了したということですね。」 あなた:「はい、そうです。これから開発に入ります。」 (相手は結論を知るまでに時間がかかる)
例2:問題発生の報告
結論先出しの場合: あなた:「□□の件で緊急のご報告があります。システム障害が発生し、現在サービスの一部が停止しています。」 上司:「システム障害ですか。詳しい状況を教えてください。」 あなた:「はい。障害は本日午前10時頃に発生し、原因は現在調査中です。影響範囲は、ウェブサイトのログイン機能と一部のページ閲覧です。現在、復旧作業を進めており、1時間以内の復旧を目指しています。」
経緯から話しがちな場合(改善の余地あり): あなた:「午前中からシステムにアクセスしようとしたら、少し動きがおかしくてですね、いくつか試してみたんですけど、どうもログインができなくて、他の人も同じみたいなんです。サービスが止まっているかもしれません。」 上司:「サービスが止まっている?詳しく教えてもらえますか。」 あなた:「はい、ウェブサイトのログイン機能が使えないようです。」 (緊急度が伝わりにくく、状況把握に時間がかかる)
よくある疑問と対応
疑問1:「結論だけでは情報不足では?」
結論だけを伝えて終わり、という意味ではありません。結論を最初に伝え、その後に必要な情報を補足するのが結論先出しの報連相です。重要なのは、まず最も伝えたいことを明確にすることです。
疑問2:「まだ結論が出ていない場合はどうすれば?」
相談の場合は、「〇〇について判断に迷っております」「△△の件で現状こうなっており、どのように進めるべきかご相談させてください」のように、何についての相談で、何を求めているのか(判断、アドバイスなど)を冒頭で伝えることが結論となります。まだ状況が整理できていない場合は、状況整理を支援してほしい、という相談内容にするのも良いでしょう。
疑問3:「話が長くなってしまう」
結論を最初に伝えることで、話の軸が定まります。その後の説明は、その結論を補強するために必要な情報に絞り込みましょう。練習を重ねることで、簡潔に伝えるスキルも向上します。
まとめ
報連相で結論から話すスキルは、ビジネスコミュニケーションの基本であり、相手への配慮を示す重要な要素です。新社会人のうちは難しく感じるかもしれませんが、まずは「一番伝えたいことは何か?」を考え、それを短い言葉で表現する練習から始めてみましょう。
結論、詳細、必要に応じて意見・提案というステップを意識することで、あなたの報連相はよりスムーズに、そして正確に相手に伝わるようになります。日々の業務の中で意識して実践し、自信を持って報連相できるようになりましょう。