報連相後が肝心!新社会人のための確認と次のアクションステップガイド
報連相は「伝えて終わり」ではない
仕事を進める上で、報連相は非常に重要です。指示を受けたり、進捗を報告したり、困りごとを相談したりすることで、業務が円滑に進みます。報連相を無事に終えた時、一つタスクが完了したように感じて安心するかもしれません。しかし、報連相は情報を伝達する行為であると同時に、その後の仕事へつなげるための重要なプロセスでもあります。
特に新社会人のうちは、報連相で精一杯になり、その後の確認や具体的な行動への落とし込みがおろそかになってしまうことがあります。報連相で得た指示や情報が曖昧だったり、聞き漏らしがあったりすると、後々の手戻りやミスにつながる可能性も生じます。
この記事では、報連相が完了した後に、新社会人がどのような点を確認し、次の行動にどう繋げていくべきか、具体的なステップとともに解説します。報連相後の行動までを意識することで、より確実に、そして自信を持って仕事を進めることができるようになります。
ステップ1:相手が内容を理解したか確認する
報連相は、相手に情報が正確に伝わり、理解してもらうことが目的です。話し終わった後や、メール・チャットを送った後に、相手が内容を適切に受け取っているかを確認するステップは重要です。
口頭で話した場合、相手の表情や相槌である程度の理解度は推測できます。より確実にするためには、簡単な復唱や確認の言葉を添えることが有効です。
会話例:
- 上司に報告した後 「〇〇の件、△△の状況でございます。この件について、ご不明な点はございませんでしょうか。」
- 指示を受けた後、自分の理解を確認する 「かしこまりました。〇〇様からのご指示は、□□を□月□日までに完了させる、という理解で合っておりますでしょうか。」
- 相談に乗ってもらった後 「△△についてご相談させていただき、□□のように進めるのが良いというアドバイスをいただきました。ありがとうございます。その方向で進めても問題ないか、念のためご確認させていただけますでしょうか。」
メールやチャットの場合、相手からの返信の内容を確認します。もし返信がない場合や、返信が抽象的で理解できたか判断できない場合は、必要に応じて短い確認のメッセージを送ることも検討します。
チャット例:
- 報告メッセージに対し返信がない場合(急ぎではない場合) 「〇〇の件、ご確認いただけましたでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、お手すきの際にご確認いただけますと幸いです。」
- 送った内容への理解を促す 「〇〇についてお送りした内容ですが、特に問題ございませんでしたでしょうか。もし認識違いなどございましたら、ご指摘いただけますと助かります。」
相手が忙しい場合、すぐに丁寧な返信が難しいこともあります。状況に応じて、返信を待つか、簡単な確認を挟むか判断します。
ステップ2:得られた指示や情報を正確に記録する
報連相を通じて、上司や先輩から指示を受けたり、重要な情報を得たりすることがあります。これらの内容は、後から見返したり、次のアクションを計画したりするために、正確に記録しておくことが非常に重要です。
特に口頭での指示は、時間が経つと曖昧になったり忘れてしまったりすることがあります。必ずメモを取る習慣をつけましょう。
メモを取る際のポイント:
- 日時: いつ(何月何日何時頃)
- 相手: 誰から(上司の〇〇さん、△△部の□□さんなど)
- 内容: 何について(〇〇プロジェクト、△△に関する依頼など)
- 指示・決定事項: 具体的に何をすべきか、何が決定されたか
- 期日: いつまでに(あれば)
- 確認事項: 自分から確認した点、疑問点
メモを取る際には、相手に「失礼いたします、念のためメモを取らせていただきます」と一声かけるとより丁寧です。
会話例:
- 指示を受けながらメモを取る 上司:「この資料、明日午前中までにレビューしてほしいんだ。」 自分:「はい、承知いたしました。資料のレビューですね。明日午前中まで。念のためメモを取らせていただきます。」
- 内容を復唱しつつ確認する 自分:「本日14時に〇〇様から、『△△の件について、来週月曜日中に□□のデータ提出が必要』というご指示をいただいた、という理解で合っておりますでしょうか。」
メールやチャットでのやり取りは、ツールに残るため記録になります。しかし、後から探しやすいように整理したり、議事録や日報などに必要な情報を転記したりすることも有効です。
ステップ3:確認事項や懸念点を明確にする
報連相の中で、聞きそびれたこと、曖昧に感じたこと、新たに疑問に思ったことが出てくるかもしれません。また、指示を受けた内容に無理がないか、他に考慮すべき点はないかなどを冷静に考え直す時間も必要です。
これらの確認事項や懸念点は、そのまま放置せず、できるだけ早い段階で再度確認や相談を行います。ここで曖昧さをなくしておくことが、後々の手戻りを防ぐことにつながります。
再確認・質問のフレーズ例:
- 少し時間が経ってから質問する場合 「先ほどはありがとうございました。先ほどの〇〇の件で恐縮なのですが、△△について、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。」
- 内容の一部が曖昧だった場合 「先ほどの指示で、□□の資料を準備とのことでしたが、『□□』とは具体的にどの資料を指しますでしょうか。」
- 懸念点がある場合(代替案も添えると丁寧) 「ご指示いただいた〇〇の件ですが、△△という懸念点がございます。この場合、□□のように進めてもよろしいでしょうか。それとも、まずはご指示いただいた通りに進めるべきでしょうか。」
質問や確認は、恥ずかしいことではありません。むしろ、曖昧なまま進めてミスをする方が、かえって迷惑をかけてしまう可能性があります。適切なタイミングで、丁寧に質問することを心がけましょう。
ステップ4:次の具体的なアクションを計画する
報連相で得た情報、指示、承認、アドバイスなどを踏まえ、次に自分が具体的に何をすべきか計画します。単に「やる」だけでなく、「いつまでに」「どこまで」「具体的に何をする」といったレベルで明確にすることが大切です。
アクション計画のポイント:
- 指示されたタスクを細分化する(例:資料作成→情報収集→構成検討→草稿作成→修正→提出)
- 各タスクに必要な時間を見積もる
- 全体のスケジュールに落とし込む
- 期日を意識する
- 他のタスクとの兼ね合いを考慮する
計画したアクションは、ステップ2で作成したメモや、タスク管理ツールなどに記録しておくと忘れずに済みます。
アクション計画のフレーズ例(報告・相談時にも使える):
- 指示を受けて計画を伝える 「承知いたしました。この件、頂いた指示に基づき、まずは〇〇から着手し、□月□日までに△△の状態まで進める予定です。途中で不明点が出ましたら、再度ご相談させていただけますでしょうか。」
- 相談に対するアクションを伝える 「△△についてアドバイスいただきありがとうございます。ご提案いただいた□□の方法で試してみます。まず今日中に必要な準備を行い、明日から本格的に取り掛かります。」
ステップ5:必要に応じて関係者に共有・連携する
自分が受けた指示や得た情報が、自分以外の関係者(先輩、同僚、他部署など)にも影響する場合、適切に共有・連携することが必要になります。これは、チームや部署全体の連携をスムーズにし、無駄な作業や誤解を防ぐためです。
誰に、何を、どのような手段(口頭、チャット、メール、会議など)で共有するかを判断します。上司からの指示を他のメンバーに伝える場合は、「〇〇部長から、△△について□□のように進めるよう指示がありましたので、皆様にも共有します」のように、誰からの指示であるか明確に伝えるのが良いでしょう。
共有・連携のフレーズ例:
- チームメンバーへの共有 「先ほど上司と〇〇の件について話しました。△△という方針で進めることになりましたので、情報共有いたします。」
- 他部署への連携 「□□部のご担当者様、お世話になります。〇〇プロジェクトの△△の件で、弊部署の上司より、□□部の皆様にご協力いただきたいという指示がありました。つきましては、〜」
共有する情報が、関係者にとって必要な情報か、分かりやすく整理されているかを確認してから伝えましょう。
よくある質問とその対応
Q1. 上司が忙しそうで、報連相後の確認がしにくい場合はどうすれば良いでしょうか?
A1. 上司の状況を考慮し、タイミングを見計らうことが重要です。チャットなどで「〇〇の件で一点確認させていただけますでしょうか。お忙しいところ恐縮ですので、お手すきの際にご連絡いただけますと幸いです。」のように、相手の都合を伺う形でメッセージを送るのも一つの方法です。また、短く済む確認であれば、朝一番や業務の合間など、比較的手が空いている時間帯を狙うことも有効です。どうしても確認が必要な場合は、その旨を丁寧に伝え、いつであれば時間をいただけるか尋ねてみましょう。
Q2. メモを取った内容は、どこまで上司に見せるべきでしょうか?
A2. 基本的には、自分が理解した内容や指示を再確認してもらう目的であれば、メモそのものを見せる必要はありません。メモを見せるよりも、「頂いた指示は、〇〇を△△までに進める、という理解で合っておりますでしょうか」のように、口頭やメッセージで自分の理解を伝える方が一般的です。ただし、認識合わせのためにメモの一部を共有することが有効な場合もあります。これは状況や社内の慣習によりますので、先輩などに相談してみるのも良いでしょう。
Q3. 報連相後に何度も質問するのは失礼にならないでしょうか?
A3. 短時間に同じ内容を何度も質問したり、少し考えれば分かることをすぐに質問したりするのは避けるべきですが、業務を正確に進めるために必要な質問や確認であれば、失礼にはあたりません。曖昧なまま進めてミスをする方が、かえって迷惑をかけてしまう可能性があります。質問する前に、自分で調べたり、一度整理したりするなどの準備をした上で、疑問点を明確にしてから質問しましょう。質問の際には、「先ほどの件で恐縮なのですが」「〇〇について、一点よろしいでしょうか」のように、クッション言葉を使うと丁寧な印象になります。
まとめ
報連相は、情報を伝えるだけでなく、その後の業務を円滑に進めるためのスタート地点です。報連相を終えたらそこで完了ではなく、
- 相手が内容を理解したか確認する
- 得られた指示や情報を正確に記録する
- 確認事項や懸念点を明確にする
- 次の具体的なアクションを計画する
- 必要に応じて関係者に共有・連携する
といったステップを踏むことで、より確実に、そして自信を持って仕事に取り組むことができるようになります。
報連相後の丁寧な確認とアクション計画は、自分の理解度を高め、指示を漏れなく実行し、周囲との連携をスムーズにするために不可欠です。一つ一つの報連相を大切にし、その後の行動まで意識することで、新社会人としての信頼を着実に築いていくことができるでしょう。