報連相した後の「それで?」に困らない!新社会人のための質問対応ステップ
報連相後の「それで?」に落ち着いて対応するために
業務の報告、連絡、相談を終えた後、上司や関係者から追加で質問を受けることは一般的です。これは、相手が状況をより深く理解しようとしている、あるいは次のアクションを検討するために必要な情報を求めているためです。しかし、新社会人の中には、報連相は済んだと思って安心してしまった後で質問されると、どのように答えればよいか迷ってしまう場合もあるかもしれません。
報連相後の質問に適切に対応することは、相手との認識のずれを防ぎ、スムーズな業務遂行につながります。また、あなたの状況把握能力や誠実さを示す機会ともなります。ここでは、報連相後の質問に落ち着いて対応するためのステップと、具体的な会話例をご紹介します。
ステップ1:質問内容を正確に聞き取る
まず何よりも、相手の質問内容を正確に理解することが重要です。質問の意図や内容が曖昧なまま推測で答えてしまうと、誤解を生む可能性があります。
- ポイント: 質問が聞き取れなかったり、意味がすぐに理解できなかったりした場合は、遠慮せずに聞き返す、あるいは質問の意図を確認することが大切です。
会話例
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聞き返す場合: 「恐れ入ります、質問の内容をもう一度お願いできますでしょうか。」 「すみません、少し聞き取れませんでした。もう一度よろしいでしょうか。」
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意図を確認する場合: 「〇〇について、△△の状況をということでしょうか。」 「この件は、具体的な期日についてのご質問でしょうか。」 (このように、自分が理解した内容を相手に確認することで、認識のずれを防ぎます。)
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メモを取る: 可能であれば、質問を受けた際にメモを取る習慣をつけましょう。複数の質問を受けた場合や、少し複雑な内容の質問の場合に役立ちます。
ステップ2:状況を整理し、事実に基づいて答える
質問内容を正確に理解したら、慌てずに自身の状況やタスクの状況を整理し、把握している事実に基づいて答えます。憶測や曖昧な情報ではなく、確かな情報を提供することが信頼につながります。
- ポイント: 自分がどこまで把握しているか、何が事実として確認できているかを明確にして伝えましょう。
会話例
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現状を伝える場合: 「このタスクは、現在〇〇の段階まで進んでおります。」 「データ集計は完了しており、現在分析を進めているところです。」
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確認済みの事実を伝える場合: 「先ほど△△様にご連絡したところ、〇〇という状況とのことでした。」 「〇〇の資料については、フォルダAに格納されていることを確認しております。」
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まだ未確認の点に触れる場合: 「△△の件については、まだ確認が取れていない状況です。」 「〇〇の理由については、現在調査中です。」
ステップ3:もし分からないことがあれば、正直に伝え、次に取るべき行動を示す
報連相した内容に関連して、質問されたことすべてに即答できるとは限りません。もし分からないことや、その場ですぐに確認できないことがあれば、正直にその旨を伝えることが重要です。さらに、「分からない」で終わるのではなく、次に自分がどのように対応するのか(いつまでに調べて報告するのかなど)を示すことで、相手に安心感を与え、無責任な印象を与えずに済みます。
- ポイント: 分からないことを隠したり、適当に答えたりすることは絶対に避けてください。誠実な姿勢が大切です。
会話例
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分からないことを伝える場合: 「申し訳ございません、その点につきましては、現状では情報が不足しており、お答えすることができません。」 「大変恐縮ですが、その件についてはまだ把握しておりませんでした。」
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今後の行動を示す場合: 「すぐに確認し、〇〇時までにご報告させていただきます。」 「関係部署に問い合わせて、明日午前中には回答いたします。」 「△△について、どのような情報が必要でしょうか。確認次第ご連絡いたします。」
ステ4:必要に応じて、今後のアクションや不明点を相談する
報連相とその後の質疑応答を通じて、今後の進め方について指示を受けたり、新たな疑問点が生じたりすることがあります。そのような場合は、積極的に今後のアクションについて確認したり、不明点を相談したりすることで、業務を円滑に進めることができます。
- ポイント: 質問対応は、単に答えるだけでなく、そこから生まれる次の行動を確認し、必要に応じて相談につなげる機会でもあります。
会話例
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指示を仰ぐ場合: 「この後、〇〇の作業に進もうと考えておりますが、よろしいでしょうか。」 「△△について、具体的な進め方にご指示はございますでしょうか。」
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相談する場合: 「〇〇について、△△のような懸念があるのですが、何か注意すべき点はございますでしょうか。」 「このデータについて、解釈に迷う点があるのですが、ご相談に乗っていただけますでしょうか。」
よくある質問とその対応
新社会人が報連相後の質問で戸惑いがちな状況と、その対応例をご紹介します。
Q: 質問の意図が何度聞いてもよく分かりません。どうすればよいですか?
A: 質問の背景にある状況や、なぜその情報が必要なのかを尋ねてみる方法があります。「この件は、〇〇を確認するために必要な情報でしょうか」「△△について検討されていると理解していますが、その関連でご質問いただいていますでしょうか」のように、相手の目的や状況に寄り添う形で確認することで、意図が明確になることがあります。
Q: 即答できない、少し時間がかかる質問をされた場合、どう伝えればよいですか?
A: その場で即答できない理由(例:資料を確認する必要がある、関係者に確認が必要など)と、いつまでに回答できるかの目途を具体的に伝えましょう。「恐れ入ります、その点については資料を確認する必要がございます。△△時までにご回答差し上げます。」のように伝えることで、相手はいつ情報が得られるか見通しを持つことができます。
Q: 一度答えた内容に間違いがあったことに後から気づきました。どうすればよいですか?
A: 間違いに気づいたら、速やかに訂正の連絡をすることが非常に重要です。時間が経つほど、その誤った情報に基づいて業務が進んでしまうリスクが高まります。「先ほどの〇〇の件について、私の報告に一部誤りがございました。正しくは△△です。大変申し訳ございません。」のように、謝罪とともに正確な情報を伝えましょう。
まとめ
報連相後の質問対応は、コミュニケーション能力を高め、業務を円滑に進めるための重要なスキルです。質問を正確に聞き取り、事実に基づいて誠実に答えること、そして分からないことは正直に伝え、必ずその後の行動を示すことが基本となります。これらのステップを意識し、一つ一つの質問に丁寧に対応することで、上司や周囲からの信頼を得ることにつながるでしょう。最初のうちは難しく感じるかもしれませんが、経験を積むことでスムーズに対応できるようになります。