完璧報連相マスター

これで安心!依頼されたタスクの進め方・方向性に迷った時の報連相ステップ

Tags: 報連相, 相談, 仕事の進め方, 新社会人, ビジネスマナー, 迷い, タスク管理

仕事の進め方に迷うのは自然なこと

新しい仕事に慣れる過程では、任されたタスクについて「どう進めたら良いのだろう」「このやり方で合っているのか」と迷う場面が出てくることがあります。これは決して能力が不足しているわけではなく、経験が浅い時期には誰もが通る道です。

重要なのは、一人で抱え込まず、適切なタイミングで周囲に助けを求めることです。特に、タスクの進め方や方向性に関する迷いは、その後の作業効率や結果に大きく影響するため、早期の報連相が大切になります。

この記事では、タスクの進め方や方向性に迷った際に、自信を持って報連相するための具体的なステップと、上司や先輩に分かりやすく伝えるための会話例をご紹介します。

迷った時の報連相 ステップガイド

タスクの進め方や方向性に迷った時に、どのように報連相すれば良いのか、順を追って見ていきましょう。

ステップ1:何に迷っているのか具体的に整理する

まず、自分が具体的に何について迷っているのかを整理します。 * タスクの目的や最終的なゴールが不明確か * 複数の進め方が考えられるが、どれが最適か判断できないか * 指示された方法以外に、より良いと思われる方法があるか * 作業の途中で想定外の状況が発生し、当初の計画通りに進められないか * 次に何をすれば良いか分からないか

迷いの原因を明確にすることで、報連相する際に、単に「分かりません」と伝えるのではなく、「〇〇の点で迷っています」と具体的に伝えることができるようになります。このとき、自分なりに考えたことや、いくつかの選択肢があればそれも整理しておくと良いでしょう。

ステップ2:誰に報連相するか決める

報連相の相手は、基本的にそのタスクを依頼した直属の上司や先輩になります。誰に確認すれば良いか迷う場合は、まずは日頃から指示を受けている方に相談するのが最も確実です。

ステップ3:どのように報連相するか決める

迷っている内容の緊急度や複雑さ、および相手の状況によって、報連相の手段を選びます。

迷っている内容が、その後の多くの作業に影響する場合や、判断を急ぐ必要がある場合は、口頭や、可能であればすぐに確認できる手段を選びましょう。

ステップ4:報連相する内容を組み立てる

迷っていることを伝える際は、以下の要素を盛り込むと、相手に状況が伝わりやすくなります。

  1. タスク名/目的: 何のタスクに関する報連相なのかを明確にします。
  2. 現状: タスクが現在どのような状況にあるのかを簡潔に伝えます。
  3. 迷っている点: 具体的にどの部分で迷っているのかを明確に伝えます。
  4. 自分なりの考え: 迷っている点について、自分なりにどのように考えたか、どのような選択肢があるかを伝えます。何も考えずに「分かりません」では、相手もアドバイスしづらくなります。
  5. 相談したいこと/お願いしたいこと: 最終的に相手にどうしてほしいのか(判断を仰ぎたい、アドバイスがほしいなど)を伝えます。

例えば、「〇〇の資料作成を進めておりますが、データの集計方法で迷っております。AとBの方法が考えられ、私自身はBの方法が効率的かと考えておりますが、過去の資料との整合性について確認したいです。どちらの方法が良いか、ご意見をいただけますでしょうか。」のように組み立てます。

ステップ5:実際に報連相する

整理した内容をもとに、上司や先輩に報連相します。相手の状況を考慮し、話しかけるタイミングやチャットを送るタイミングを選びましょう。忙しそうな場合は、「〇〇の件で少々ご相談したいことがあるのですが、今お時間よろしいでしょうか」のように、先に相手の都合を伺う一言を添えると丁寧です。

ステップ6:指示やアドバイスを受けて確認する

報連相に対する指示やアドバイスを受けたら、内容を正確に理解するために復唱したり、簡単なメモを取ったりすることが有効です。「つまり、〇〇ということですね」のように確認することで、誤解を防ぎ、その後の作業をスムーズに進めることができます。

具体的な場面での会話例

ここでは、いくつかの具体的な迷いの場面を想定した会話例をご紹介します。

例1:複数の進め方があり、どれが良いか判断できない場合

対面または電話での会話例:

自分:〇〇さん、今少々お時間よろしいでしょうか。
相手:はい、どうぞ。
自分:ありがとうございます。先日ご指示いただいた△△の件でご相談させていただけますでしょうか。
相手:△△の件ですね。
自分:はい。現在、資料に盛り込むデータの集計を進めているのですが、分析の切り口として、Aの方法とBの方法が考えられます。Aは過去のデータと比較しやすい方法、Bはより新しい視点で分析できる方法です。
相手:なるほど。
自分:どちらもメリットがあるため判断に迷っております。私自身は、今回は新しい視点も重要かと感じ、Bの方法が良いかと考えておりますが、どのように進めるのがよろしいでしょうか。
相手:そうですか。今回は〇〇を目的としているので、Bの方法で進めてみてください。ただし、Aの方法で得られる過去データとの比較も、必要に応じて補足として加えていただけるとより良いかもしれません。
自分:承知いたしました。Bの方法で進めつつ、過去データとの比較も補足で加えるようにいたします。ありがとうございます。

例2:タスクの目的やゴールが曖昧で、具体的な一歩が踏み出せない場合

チャットでの会話例:

自分:〇〇さん、お疲れ様です。先日ご依頼いただいた「XXに関する市場調査」の件で確認させてください。
相手:お疲れ様です。
自分:調査の目的は「新規顧客開拓に向けた潜在ニーズの把握」と理解しております。具体的にどのような情報を、どのような粒度で集めるべきか、また、最終的にどのような形式でまとめるべきか、イメージがつかめていない部分がございます。
相手:はい。
自分:まずは競合他社の動向から調査を進めようかと考えておりますが、方向性について一度ご相談させていただけますでしょうか。お手隙の際にご教示いただけますと幸いです。

例3:指示された方法以外に、より良いと思われる方法がある場合

メールでの会話例:

件名:【〇〇の件】進め方に関するご相談(氏名)

〇〇様

お疲れ様です。〇〇部 氏名です。

先日ご指示いただきました「△△の資料作成」の件で、一点ご相談させていただけますでしょうか。

ご指示では□□の方法でデータを集計するとのことでしたが、別のツールを使用することで、より効率的に、かつ最新の情報も反映させた集計が可能になるかと思います。(具体的なツール名やメリットを簡潔に記載)

つきましては、この新しい方法で進めても問題ないか、ご判断をいただけますでしょうか。□□の方法で進める場合でも対応可能です。

お忙しいところ恐縮ですが、ご確認いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

新社会人が抱えがちな疑問と解決策

「こんなことで聞いても良いのだろうか?」

迷うこと、分からないことがあるのは当然です。そのまま間違った方向に進めてしまい、後からやり直しになる方が、結果的に多くの時間や手間がかかります。早めに確認することは、業務を円滑に進める上で必要な「報連相」です。「こんなことで」と思わず、迷ったら確認する習慣をつけましょう。ただし、自分で調べたり考えたりした上で、それでも分からなかったり判断できなかったりする場合に相談することが大切です。

「上司が忙しそうで話しかけにくい」

上司が会議中であったり、明らかに集中して作業している場合は、一旦タイミングを見計らう必要があります。少し手が空いたタイミングを見計らったり、「〇〇の件で少しだけご相談できますでしょうか」のように、短時間で終わることを伝えたりするのも有効です。緊急性が低い内容であれば、メールやチャットで相談内容を伝え、「お手隙の際にご連絡ください」と一言添えておくのも良い方法です。

「一度決まったことを覆しても良いのか?」

既に進め方が決まっている場合でも、より良い方法や想定外の状況変化によって計画通りに進められない場合は、報連相が必要です。ただし、その際は単に「別の方法が良いです」と伝えるのではなく、「現状〇〇で、当初の方法では△△という懸念が生じます。そこで、□□という方法も考えられますが、いかがでしょうか」のように、現在の状況と自分なりの提案をセットで伝えるようにします。勝手に方法を変えてしまうのは避けましょう。

まとめ

仕事の進め方や方向性に迷うことは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、そこで立ち止まり、より良い方法を考えたり、確認したりすることは、プロとして質の高い仕事をするために必要なプロセスです。

迷った時は、まず何に迷っているのかを具体的に整理し、自分なりの考えを持った上で、適切な相手と方法で報連相を行いましょう。今回ご紹介したステップや会話例が、皆さんが自信を持って報連相を行うための一助となれば幸いです。積極的に報連相を活用し、業務をスムーズに進めてください。