これで迷わない!新社会人のための社内外からの問い合わせ対応と報連相ステップ
社内外から会社へ寄せられる問い合わせは、新社会人にとって少し緊張する場面かもしれません。特に、自分の担当ではない内容だったり、担当者がすぐに分からない場合などは、どのように対応し、誰に報連相すればよいか迷うことがあります。
しかし、問い合わせへの適切な一次対応とその後の報連相は、会社の信頼を守り、業務をスムーズに進める上で非常に重要です。ここでは、社内外からの問い合わせに対応する際の基本的な報連相ステップについて解説します。
ステップ1:落ち着いて正確に聞き取る
電話やメール、チャットなどで問い合わせを受けた際、まず大切なのは落ち着いて対応することです。相手の話を丁寧に聞き、必要な情報を正確に把握します。
聞き取るべき基本情報:
- 相手の会社名、部署名、氏名
- 連絡先(電話番号、メールアドレスなど)
- 問い合わせ内容(できるだけ具体的に)
- 用件の担当者名(相手が知っている場合)
- 折り返しの希望日時や方法(必要な場合)
会話例(電話の場合):
(電話に出る) 「お電話ありがとうございます。〇〇株式会社 △△部 の [あなたの名前] です。」
(相手が話し始めたら相槌を打ちながら聞く) 「はい、承知いたしました。」 「〇〇様でいらっしゃいますね。」
(内容が掴みにくい場合は確認する) 「恐れ入ります、今一度お伺いしてもよろしいでしょうか。〇〇の件で、△△ということでしょうか。」
(聞き取った内容を復唱する) 「かしこまりました。□□株式会社の△△様より、〇〇の件でお問い合わせですね。ご連絡先は〜〜、折り返しは本日中をご希望ということでよろしいでしょうか。」
(メモを取る) 聞き取った情報は必ずメモを取りましょう。後で報連相する際に必要になります。
ステップ2:担当者を確認し、一次対応を行う
問い合わせ内容を聞き取ったら、その用件の担当者が誰かを確認します。
- 担当者が明確な場合: 担当者がいるか確認します。在席していれば内線などで繋ぎます。不在の場合は、戻り時間や対応可能な他の担当者がいるかなどを確認します。
- 担当者が不明な場合: 問い合わせ内容から、どの部署や担当者が対応すべきかを推測します。社内の担当者リストを確認したり、近くの上司や先輩に簡単に相談したりするのも良いでしょう。
一次対応の例:
- 担当者が在席している場合: 「ただ今、担当の[担当者名]に代わりますので少々お待ちください。」と伝え、担当者に取り次ぎます。
- 担当者が不在の場合:
- 「申し訳ございません、担当の[担当者名]はただ今席を外しております。」と伝えます。
- 「〇時頃に戻る予定ですが、いかがいたしましょうか。」と具体的な戻り時間を伝え、相手の希望を聞きます。
- 「よろしければ、私[あなたの名前]がご用件を伺い、担当者に戻り次第ご連絡するよう申し伝えましょうか。」と、用件を伺うことを提案します。
- 急ぎの用件で、対応可能な他の担当者がいれば、「お急ぎのようですので、担当の[担当者名]の代わりに[別の担当者名]が対応させていただきましょうか。」と提案します。
- 担当者が不明な場合: 「お問い合わせありがとうございます。〇〇の件ですね。少々お待ちいただけますでしょうか、担当部署を確認いたします。」などと伝え、確認に時間をもらいます。確認後、担当部署や担当者が分かれば上記と同様に対応します。すぐに分からない場合は、「確認しまして、折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか。」と伝えます。
この段階で、相手に「担当者が不在である」「担当者を確認している」といった状況を正確に伝えることが重要です。曖昧な返答や、安易に「分かります」「対応します」と言ってしまうと、後でトラブルになる可能性があります。
ステップ3:報連相の準備と判断
聞き取った内容と一次対応の結果に基づき、誰に、何を報連相するかを判断します。
- 担当者に取り次げた場合: 基本的に報連相は不要です。担当者自身が対応します。
- 担当者が不在で用件を預かった場合: 担当者への報連相が必要です。
- 担当者が不明で、誰が担当か確認が必要な場合: 上司やチームリーダーへの相談が必要かもしれません。
- 緊急度が高いと思われる場合: 通常の報連相に加え、より迅速な対応を検討します。
報連相の際に伝えるべき内容:
- 誰から(会社名、氏名)
- いつ(問い合わせがあった日時)
- どのような用件か(具体的な問い合わせ内容)
- 自分が行った一次対応(担当者不在の旨伝えた、用件を伺った、折り返しを約束したなど)
- 今後の対応についてどのようにしたいか(担当者へ連絡をお願いしたい、誰か対応できる人を探したいなど)
メモした情報を見返しながら、これらの情報を整理します。
ステップ4:担当者や関係者へ報連相する
整理した内容を基に、担当者、上司、または関係者へ報連相を行います。状況や緊急度、社内ルールに応じて、適切な手段(チャット、メール、口頭など)を選びます。
会話例(担当者が不在で、チャットで報連相する場合):
「〇〇さん、お疲れ様です。先ほど□□社の△△様よりお電話がありました。〜〜の件(具体的な用件を簡潔に)についてのお問い合わせです。申し訳ございませんが、席を外していらっしゃったため、私が用件を伺い、戻られましたら△△様にご連絡いただくようお伝えしております。△△様のご連絡先は〜〜です。」
会話例(担当者が不明で、上司に相談する場合:口頭):
「課長、少々お時間をいただけますでしょうか。先ほど社外の〇〇様より、△△の件でお問い合わせがありました。内容としては〜〜です。この件の担当者を確認したのですが、社内システムで確認できず、どなたに引き継ぐべきか判断に迷っております。大変恐縮ですが、担当者についてご教示いただけますでしょうか。」
会話例(担当者が不在で、メールで報連相する場合):
件名:【ご連絡】□□社 △△様よりお電話(〇〇の件)
[担当者名]さん
お疲れ様です。[あなたの名前]です。
本日、〇時頃、□□株式会社の△△様よりお電話がございました。 用件は〜〜(具体的な内容)についてのお問い合わせです。
恐れ入りますが、席を外していらっしゃいましたため、私が用件を伺い、戻られましたら△△様へご連絡いただくよう申し伝えました。 △△様のご連絡先は以下となります。 電話番号:〜〜 メールアドレス:〜〜
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
[あなたの名前]
報連相を受けた側が、すぐに状況を理解し、次のアクションに移れるように、簡潔かつ正確に情報を伝えることが重要です。特に、誰から(会社名、氏名)、用件、自分が行った対応の3点は必ず含めましょう。
ステップ5:一次対応者(問い合わせ元)への返答方針を確認・実行する
担当者や関係者へ報連相した後、一次対応者(問い合わせをしてきた相手)への返答について、担当者や上司と方針を確認します。
- 誰がいつ折り返すのか
- 折り返す際に何を伝えるのか
などが明確になったら、その方針に従って、速やかに相手に連絡します。
会話例(折り返し電話の場合):
「お電話いたしました〇〇株式会社の[あなたの名前]です。先ほどは担当の[担当者名]が不在にしており、失礼いたしました。担当者に戻り次第、△△様にご連絡するよう申し伝えました。〇時頃には連絡できるかと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。」
もし、担当者が対応し、担当者から直接相手に連絡する場合は、一次対応をしたあなたが改めて連絡する必要はありません。しかし、報連相を受けた担当者や上司から「〇〇さんから△△さんに連絡しておいて」と指示があった場合は、指示に従って連絡します。
よくある質問と対応
Q1. 問い合わせ内容が全く理解できませんでした。どうすれば良いですか?
正直に「恐れ入ります、不勉強で申し訳ございません。内容について詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか。」と丁寧に聞き返しましょう。それでも理解が難しい場合は、「担当の者にお繋ぎいたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」と担当者へ引き継ぐか、担当者が不在であれば「折り返し担当より詳しい者から連絡させていただきますので、改めてご説明いただけますでしょうか。」と伝え、メモした内容を基に上司や先輩に相談し、担当者を特定して対応を依頼します。分からないまま適当に返事をするのは避けましょう。
Q2. 担当者が分からない上に、内容もよく分かりません。
まずは落ち着いて、分かる範囲で良いので、相手の会社名、氏名、連絡先、そして問い合わせ内容の一部でも良いのでメモします。その上で、上司やチームリーダーに「社外の〇〇様より△△に関するお問い合わせがありましたが、担当者が分からず、内容も詳しく把握できておりません。大変恐縮ですが、どなたか対応できる者をご存知でしょうか。」と相談します。一人で抱え込まず、周りを頼ることが重要です。
Q3. 「急ぎで」と言われた問い合わせの場合、どう報連相すれば良いですか?
問い合わせを受けた時点で、その旨をメモし、一次対応でも「急ぎとのこと承知いたしました」と伝えます。そして報連相の際も、内容に加えて「急ぎとのことです」という情報を明確に加えます。口頭で担当者や上司に直接伝えるか、チャットやメールの件名に【緊急】などを加えて、迅速な対応が必要であることを報連相相手に伝えることが重要です。
まとめ
社内外からの問い合わせ対応は、会社の顔としてお客様や取引先と接する最初の機会となることがあります。正確な聞き取り、適切な一次対応、そして何よりその後の関係者への迅速かつ正確な報連相が、円滑な業務遂行と信頼関係の構築に繋がります。
担当者が不明な場合や内容が難しい場合でも、一人で抱え込まず、分かったことと分からないことを整理し、関係者へ適切に報連相・相談することで、必ず誰かがサポートしてくれます。このステップを実践することで、問い合わせ対応に対する自信がつき、報連相スキルも向上していくはずです。