会議・打ち合わせで自信をつける!新社会人のための発言・情報共有ステップ
会議・打ち合わせでの報連相の重要性
社会人になると、会議や打ち合わせに参加する機会が増えます。これらの場は、情報共有や意思決定を行う重要な場面ですが、特に新社会人にとっては、どのように発言すればよいか、何を報告・連絡・相談すべきか迷うことも少なくないかもしれません。緊張してうまく話せなかったり、発言のタイミングが分からなかったりと、苦手意識を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、会議や打ち合わせでの報連相は、チーム全体の理解を深め、スムーズに業務を進めるために不可欠です。また、積極的に発言することで、自分の仕事への理解を深め、チームへの貢献を示す機会にもなります。
この記事では、新社会人の方が会議や打ち合わせで自信を持って報連相を行うための具体的なステップと、すぐに使える会話例をご紹介します。
ステップ1:会議前の準備をしっかり行う
会議や打ち合わせで効果的に報連相を行うためには、事前の準備が非常に重要です。何を話し、何を聞くかを明確にしておくことで、落ち着いて臨むことができます。
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会議の目的と議題を確認する 事前に送られる会議通知や議題を確認し、何のために会議が開かれるのか、どのような内容が話し合われるのかを理解します。自分の業務とどう関連するのかを把握しておくことで、必要な情報や質問が見えてきます。
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自分が報告・共有すべき情報を整理する もし会議で自分の担当業務について報告が求められそうであれば、報告内容を事前にまとめておきます。進捗状況、結果、課題、次に何をする予定かなどを整理しておきましょう。資料が必要であれば、抜け漏れがないか確認します。
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質問したいこと、確認したいことの整理 議題や自分の業務に関連して、分からないことや確認したいことがあれば、事前にリストアップしておきます。漠然とした疑問ではなく、「〇〇について、〜という理解で合っていますか?」「〇〇の件は、△△の期日で認識していますが良いでしょうか?」のように具体的に整理すると、会議中に適切な質問をしやすくなります。
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必要に応じて上司と事前すり合わせを行う 特に重要な報告や、判断に迷う可能性のある議題がある場合は、事前に上司に相談しておくと安心です。「明日の会議で〇〇について報告することになっています。現在の状況は△△なのですが、この点を中心に報告する形でよろしいでしょうか」「〜の件で判断に迷う点があるのですが、会議中に質問してもよろしいでしょうか」など、事前に内容や発言の許可を得ておくと、会議当日に自信を持って臨めます。
ステップ2:会議中の聞き方と理解を深める
会議中は、自分の発言だけでなく、他の参加者の話を正確に聞き取ることも重要な報連相の一部です。
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積極的にメモを取る 会議中の決定事項、指示、他の参加者の発言内容、確認すべきこと、自分のタスクなどを必ずメモします。後で見返して内容を正確に思い出すために、分かりやすく簡潔に記録することを心がけましょう。
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不明点が出た場合の対処 話を聞いている中で分からない点が出てきても、すぐに遮って質問するのはためらわれるかもしれません。まずはメモを取り、「後で質問しよう」「会議後に確認しよう」と考えておきます。もし、その不明点がその後の議題の理解に不可欠な場合は、適切なタイミングを見計らって質問することを検討します。
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議事進行の理解 会議がどのような流れで進んでいるのか、どの議題について話し合われているのかを常に把握します。これにより、自分が発言すべきタイミングや、関連する話題について考えやすくなります。
ステップ3:発言のタイミングと方法
会議中の発言は、多くの新社会人にとって緊張する場面かもしれません。適切なタイミングで、簡潔に意図を伝えることが大切です。
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発言のタイミングの見極め
- 司会者や上司から名前を呼ばれたり、意見を求められたりした場合。
- 関連する議題が話し合われている時。
- 他の人の発言が一区切りついた間。
- 議論が煮詰まっている時(整理のための質問など)。
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発言の切り出し方 発言する際は、まず「〇〇についてよろしいでしょうか」など、何について話すかを明確に示します。
- (報告する場合)「〇〇の件で、ご報告がございます」
- (質問する場合)「〇〇の件で、一点質問させていただけますでしょうか」
- (確認する場合)「〇〇の件について、確認させていただけますでしょうか」
- (意見を述べる場合)「〇〇について、私の考えを申し上げてもよろしいでしょうか」
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具体的な会話例
例1:担当業務の進捗報告 「〇〇プロジェクトの進捗についてご報告いたします。現在、タスク△△は完了しており、タスク□□に着手しております。予定通り、明後日までに完了できる見込みです。課題としては、△△のデータ収集に少し時間がかかっております。」
例2:内容の確認・不明点の質問 「先ほどの〇〇の件について、確認させてください。△△を行うとのことでしたが、具体的な担当は私でよろしいでしょうか。また、期日は□□までという認識で合っておりますでしょうか。」
「〜の件で一点質問させてください。〇〇についてのお話がありましたが、これは△△という理解でよろしいでしょうか。あるいは別の意味合いとなりますか。」
例3:議事録作成担当の場合の確認 「先ほどの〇〇の件ですが、決定事項は△△、宿題事項は□□、担当は私、期日は明日午前中、という形で議事録に記載してよろしいでしょうか。」(話の流れが速い場合など、要点を復唱して確認する)
例4:自分の考えを伝える(控えめに) 「〇〇について、もし可能であれば、△△という進め方も考えられるのではないかと感じております。あくまで案の一つとしてお聞きいただければ幸いです。」(断定的な表現は避け、提案として伝える)
ステップ4:報連相の内容と伝え方のポイント
会議での報連相は、簡潔さと正確さが求められます。参加者全員が内容を理解できるよう、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
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報告:結論から簡潔に 最も伝えたい結論や要点を最初に述べ、その後に詳細や根拠を続けます。「〜という結果になりました」「〜の状況です」のように結論から話すことで、聞き手は内容を把握しやすくなります。
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連絡:正確な情報を伝える 決定事項、変更点、共有すべき情報は、日付、場所、担当者などの事実関係を正確に伝えます。曖昧な表現は避けます。
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相談:状況と相談内容を明確に 相談したい内容に至った経緯や現状を簡潔に説明し、「何について」「どのようなアドバイスや判断を求めているのか」を明確に伝えます。「〜という状況で困っており、△△について相談させてください」「〜について判断に迷っておりますので、□□についてご教示いただけますでしょうか」のように具体的に示します。
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敬語・丁寧語の使い方 会議の参加者(上司、先輩、他部署の方など)に応じて、適切な敬語を使います。丁寧な言葉遣いを心がけることで、失礼なく、かつ真剣に話を聞いている姿勢を示すことができます。「〜です」「〜ます」の丁寧語を基本とし、相手への尊敬を示す謙譲語や尊敬語を適切に用います。(例:「拝見しました」「おっしゃる通りです」など)
ステップ5:会議後の確認と報連相
会議が終わった後も、報連相は続きます。内容の確認や、必要に応じた事後報告を行いましょう。
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議事録の確認 もし議事録が共有されたら、自分の発言内容や決定事項、宿題事項に誤りがないか確認します。誤りがあれば、修正を依頼します。自分が議事録担当になった場合は、正確かつ分かりやすくまとめるよう努め、上司に確認してもらいましょう。
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決定事項や宿題事項の再確認 会議で決まったことや、自分が担当するよう指示されたタスク、期日などを改めて確認します。不明な点があれば、会議後に個別に担当者や上司に確認します。
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必要に応じた上司への事後報告・確認 会議の内容で特に重要だと感じた点、自分が担当することになった新しいタスク、懸念事項などがあれば、改めて上司に報告・確認する時間を取ります。「先ほどの会議の件で一点ご報告がございます」「〇〇の件について、会議でこのように決まりましたが、私の理解で合っておりますでしょうか」のように伝えます。
会議報連相でよくある課題と解決策
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課題:緊張してうまく話せない
- 解決策: 事前に話す内容を具体的にメモし、可能であれば声に出して練習してみます。すべてを完璧に話そうとせず、まず結論や一番伝えたいことだけを明確に伝えることから始めると良いでしょう。場数を踏むことで徐々に慣れていきます。
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課題:発言のタイミングを逃してしまう
- 解決策: 発言のチャンスは一度ではないと考えることです。無理に会話を遮る必要はありません。議題が変わる区切りや、誰かの発言が終わった短い間など、小さな隙間を見つけて「〇〇についてよろしいでしょうか」と切り出してみます。
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課題:質問してよいか分からない
- 解決策: 会議の目的やその後の業務に必要不可欠な情報に関する質問は、積極的に行うべきです。ただし、他の人がすでに説明した内容の繰り返しや、自分で少し調べれば分かるような内容は避けます。「〇〇について、私の理解が追いついておらず申し訳ないのですが、△△という認識で合っておりますでしょうか」のように、丁寧に確認する形で質問すると聞きやすくなります。
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課題:自分の意見を伝える難しさ
- 解決策: 新社会人のうちは、自分の意見を強く主張することよりも、まずは事実に基づいた報告や質問、確認に徹する方が安心です。意見を述べる場合は、「〇〇という状況を踏まえると、△△も考えられるかと存じます」のように、前提や根拠を添え、断定を避ける形で伝えるのが適切です。
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課題:発言内容が整理できない
- 解決策: 事前に話す内容を箇条書きなどで整理しておきます。会議中もメモを見ながら話すことを遠慮する必要はありません。話す時は、「結論」「理由」「次にすること」のように構成を意識すると、分かりやすく伝わります。
まとめ
会議や打ち合わせでの報連相は、新社会人にとって慣れるまで時間がかかるかもしれません。しかし、事前の準備を丁寧に行い、会議中は人の話をよく聞き、適切なタイミングで簡潔かつ正確に発言することを意識することで、徐々に自信を持って臨めるようになります。
最初から完璧を目指す必要はありません。まずは「今日の会議でこれを必ず伝えよう」「この点だけは質問して確認しよう」というように、小さな目標から始めてみましょう。会議での積極的な報連相は、自己成長にもつながり、円滑なチーム連携にも貢献します。この記事でご紹介したステップや会話例を参考に、日々の業務にお役立ていただければ幸いです。