これで迷わない!新社会人のためのリモートワーク報連相:チャットとオンライン会議の使い分け
リモートワーク環境では、対面で話す機会が少なくなり、どのように報連相をすれば良いか戸惑う新社会の方もいらっしゃるかもしれません。特に、チャットやオンライン会議といったツールの使い分けは、慣れるまで判断に迷うことがあります。
この記事では、リモートワーク環境における報連相を、チャットとオンライン会議を中心にどのように使い分ければ良いのか、具体的なステップや会話例を交えて解説します。この記事を通じて、リモートワークでも自信を持って報連相できるようになることを目指します。
リモートワークにおける報連相の特性を理解する
リモートワークでの報連相は、対面でのコミュニケーションとはいくつかの点で異なります。主な違いは以下の通りです。
- 非同期コミュニケーションの増加: チャットやメールは、相手がすぐに返信できる状況にいるとは限りません。自分のタイミングで発信し、相手のタイミングで受信・返信されるため、リアルタイム性が低い場合があります。
- 相手の状況が見えにくい: 対面であれば、相手の表情や忙しさなどをある程度察して話しかけるタイミングを計れますが、リモートワークではそれが困難です。
- 情報の伝達方法: 口頭でのニュアンスや、ホワイトボードを使った説明などが難しくなります。文字や画面共有など、ツールに合わせた伝え方が必要です。
これらの特性を踏まえ、ツールの使い分けが重要になります。
チャットとオンライン会議の基本的な使い分け
リモートワークで主に使われるコミュニケーションツールには、チャット、メール、オンライン会議などがあります。ここでは、特に頻繁に利用するチャットとオンライン会議の基本的な使い分けについて解説します。
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チャット:
- 向いている内容:
- 緊急性の低い簡単な連絡(例: 「本日の日報を提出いたしました」)
- 短時間で済む確認(例: 「〇〇の件、来週月曜日でよろしいでしょうか?」)
- 簡単な進捗報告(例: 「〇〇のタスク、△△の段階まで進みました」)
- すぐに返信を求めない情報共有(例: 業務に関連するニュースリンク共有)
- オンライン会議開催のリクエスト
- 特徴: 手軽に送れる、記録が残りやすい、多くの人に同時に伝えられる。しかし、長文や複雑な内容には不向きで、誤解が生じやすい側面もあります。
- 向いている内容:
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オンライン会議:
- 向いている内容:
- 込み入った内容の相談や質問
- 複数の情報を組み合わせて説明が必要な報告
- 議論やブレインストーミング
- 相手の反応を見ながら進めたいコミュニケーション
- 緊急性が高く、テキストだけでは伝わりにくい内容
- 画面共有や資料を見ながら説明したい内容
- 特徴: リアルタイムで双方向のコミュニケーションが可能、非言語情報もある程度伝わる、画面共有などで情報を共有しやすい。しかし、相手の時間を拘束するため、事前の準備やアポイントメントが必要です。
- 向いている内容:
メールは、社外とのやり取りや、後々まで参照する必要のある正式な記録、一度に多くの情報を体系的に伝える場合に適しています。チャットとオンライン会議は、社内での日常的な報連相で頻繁に使い分けることになります。
具体的なシーン別実践例
いくつかの典型的なビジネスシーンを想定し、チャットとオンライン会議の使い分け方を具体的な会話例と共に見ていきましょう。
シーン1:業務の進捗を報告する
タスクの進捗状況を報告する場合、定期的な報告と、都度の簡単な報告が考えられます。
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簡単な都度報告(チャット):
- プロジェクトの小さな区切りがついた、特定の部分が完了した、などのタイミングでチャットで簡単に報告します。
- 会話例:
△△様、お疲れ様です。 先日ご指示いただいた〇〇の件、資料収集が完了いたしました。 これから内容の分析に進みます。 よろしくお願いいたします。
- ポイント:簡潔に、何が終わって次は何をするのかが伝わるように記述します。
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詳細な定期報告(メールまたはオンライン会議):
- 週報のような形で、まとめて詳細を報告する場合や、状況が複雑で説明が必要な場合は、メールやオンライン会議を活用します。
- メールの場合: 進捗状況、課題、次週の予定などを体系的に記述します。
- オンライン会議の場合: 資料を共有しながら、数値データや分析結果、発生している課題とその対応策などを口頭で詳しく説明します。
- 会話例(オンライン会議の冒頭):
△△様、本日はお時間をいただきありがとうございます。 〇〇プロジェクトの進捗についてご報告させていただきます。 現在、全体の50%が完了しており、特に課題となっているのは△△の部分です。 詳細については、画面共有しながらご説明させていただけますでしょうか。
- ポイント:会議の目的を明確に伝え、必要な資料をすぐに共有できるように準備しておきます。
- 会話例(オンライン会議の冒頭):
シーン2:分からないことや困ったことを相談する
新社会人にとって、分からないことや困ったことは頻繁に発生します。どのように相談するかで、その後の業務効率や評価にも影響します。
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簡単な確認・質問(チャットでまず確認):
- 用語の意味、簡単なツールの使い方、資料の場所など、すぐに解決できそうな疑問や、返信に時間がかかっても業務が大きく滞らない内容の場合、まずチャットで確認します。
- 会話例:
△△様、お疲れ様です。 恐れ入ります、〇〇資料についてお伺いしたい点がございます。 資料内の「△△」という項目は、具体的に何を指しているかご存知でしょうか? ご都合の良い時にご教示いただけますと幸いです。
- ポイント:すぐに返信を求めない姿勢を示しつつ、具体的に何を質問しているかを明確にします。
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込み入った相談・手順に関する質問(チャットでアポ取り → オンライン会議):
- 業務の手順が複雑で説明が必要な場合、複数の選択肢があり判断に迷う場合など、チャットで説明しきれない内容の場合は、オンライン会議での相談を依頼します。
- 会話例(チャットでのアポ取り):
△△様、お疲れ様です。 〇〇業務の手順についてご相談したいことがございます。 手順の確認と、それに伴う判断について、少しお時間をいただけないでしょうか。 明日または明後日の午前中で、△△様のご都合の良いお時間をいくつか教えていただけますと幸いです。 よろしくお願いいたします。
- 会話例(オンライン会議での相談):
△△様、お時間をいただきありがとうございます。 ご相談したいのは、〇〇業務の△△という段階です。 マニュアルを拝見したのですが、××と記載されている部分の解釈に迷っております。 具体的には、資料Aと資料B、どちらを参照すべきか判断がつきません。 この場合の正しい手順について、ご教示いただけますでしょうか。 (必要であれば資料や画面を共有しながら説明)
- ポイント:相談内容の概要をチャットで伝え、相手に心の準備をしてもらいます。会議では、何に困っているのか、何が分からないのかを具体的に説明できるよう、事前に情報を整理しておきます。
シーン3:問題が発生した場合の報告
業務中に予期せぬ問題が発生した場合、迅速かつ正確な報告が重要です。
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緊急度の高い問題(まずチャットや電話で一報、その後オンライン会議等で詳細):
- システム障害、顧客からのクレーム、データ消失など、業務に重大な支障が出る可能性がある場合は、まずチャットや場合によっては電話で状況を速報します。その上で、詳細な状況説明や対応策の相談のためにオンライン会議を設定します。
- 会話例(チャットでの速報):
△△様、至急ご報告いたします。 現在、〇〇システムで△△の不具合が発生しており、××の作業がストップしております。 現在原因を調査中ですが、復旧に時間がかかる可能性がございます。 詳細については追ってご報告いたします。
- ポイント:何が、どこで、どのような影響が出ているのかを簡潔に伝えます。緊急性が高いことを示す言葉(「至急」など)を加えても良いでしょう。
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緊急度は低いが対応が必要な問題(チャットまたはメールで報告):
- 資料に誤りが見つかった、特定の作業で想定外の手間がかかっているなど、すぐに業務が停止するわけではないが、共有や対応が必要な問題は、チャットやメールで報告します。
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会話例(メールでの報告): ``` 件名:〇〇資料の△△についてご報告
△△様
お疲れ様です。〇〇部の[あなたの名前]です。
本日、〇〇業務で使用している△△資料を再確認していたところ、 P.XXに記載されている数値に誤りがある可能性が判明いたしました。
具体的には、資料には「XXX」と記載されておりますが、 関連資料である資料Yと照合した結果、「YYY」が正しい数値ではないかと推測しております。
この誤りが他の業務に影響を及ぼす可能性もございますので、 念のためご報告させていただきます。
念のためご確認いただけますでしょうか。 よろしくお願いいたします。
[あなたの名前] ``` * ポイント:どこで、どのような問題が発生しているのか、その問題がどのような影響を及ぼす可能性があるのかを具体的に記述します。事実と推測(意見)を分けて伝えると、より正確な情報共有につながります。
リモート報連相の注意点
リモートワーク環境で報連相を行う際に、意識しておきたい注意点があります。
- 相手の状況を想像する: チャットを送ったからといって、相手がすぐに読めるとは限りません。オンライン会議を依頼する際は、相手のカレンダーを確認したり、複数の候補日時を提示したりするなど、相手への配慮を心がけましょう。
- 感情が伝わりにくいことを理解する: テキストだけのコミュニケーションは、意図が伝わりにくかったり、冷たい印象を与えたりすることがあります。特に丁寧な言葉遣いや、感謝の気持ちなどを意識して伝えるようにしましょう。絵文字やスタンプの利用は、職場の慣習に合わせます。
- 適切な情報量と粒度を考える: チャットは手軽ですが、あまりに細切れの情報や長文は相手の負担になります。オンライン会議であれば、口頭で詳細を補足したり、画面共有で分かりやすく説明したりできます。内容の複雑さや情報量に応じてツールを選びましょう。
- 必要に応じて記録を残す: 重要な決定事項や、確認した内容は、後から参照できるようメールやチャットのログとして残しておくと安心です。議事録を作成したり、チャットの内容を要約してメールで送ったりすることも有効です。
まとめ
リモートワーク環境での報連相は、対面とは異なる特性を理解し、ツールを適切に使い分けることが重要です。
- チャット: 短時間で済む連絡、簡単な確認・報告、非緊急の情報共有に活用します。手軽さがメリットですが、誤解を防ぐために簡潔かつ明確な表現を心がけましょう。
- オンライン会議: 込み入った相談、詳細な報告、議論が必要な場合に活用します。リアルタイムでのやり取りや情報共有に適していますが、相手の時間を確保するための事前準備が必要です。
どちらのツールを使う場合も、相手への配慮を忘れず、分かりやすい情報伝達を意識することが大切です。今回ご紹介したステップや会話例を参考に、リモートワークでも自信を持って報連相を実践してみてください。