これで安心!上司のフィードバックに適切に対応する報連相ステップ
上司からのフィードバックは、自身の成長にとって非常に重要な機会です。しかし、新社会人のうちは「どう受け止めればいいのだろう」「フィードバックを受けて何を報告・相談すれば良いのだろう」と戸惑うこともあるかもしれません。
この解説では、上司からフィードバックを受けた後に、どのように対応し、報連相を行えば良いのかを具体的なステップでご紹介します。フィードバックを成長の糧とし、円滑なコミュニケーションを図るための参考にしてください。
ステップ1:フィードバックの内容を正確に理解する
フィードバックを受けた際、まず大切なのは、その内容を正確に理解することです。曖牲な理解のまま進めてしまうと、意図に沿わない対応をしてしまったり、後々手戻りが発生したりする可能性があります。
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フィードバックを聞く際の姿勢
- 話を聞く際は、メモを取りながら聞くようにします。後で見返せるように、具体的な指示内容や指摘された点、その理由などを記録しておくと良いでしょう。
- 不明瞭な点があれば、その場で質問して確認することが重要です。遠慮せずに確認することで、誤解を防ぎ、正確な対応につなげられます。
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不明点を質問する際の会話例
- 「恐れ入ります、今いただいた△△に関するご指摘について、もう少し詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか。具体的にどの部分を、どのように修正すればよろしいか確認させていただけますでしょうか。」
- 「〇〇の件ですが、『少し表現が曖昧だ』というご指摘でしたでしょうか。具体的にどのような表現にすれば、より分かりやすくなりますでしょうか。いくつか表現の案を考えたいので、ヒントをいただけますと幸いです。」
- 「この作業の進め方についてご助言いただきましたが、その理由として◎◎が必要ということでしょうか。もし可能であれば、◎◎についてもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。」
ステップ2:フィードバックを受けて行うべきことを整理する
フィードバックの内容を理解したら、次はそのフィードバックに基づいて具体的に何をすべきかを整理します。
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具体的なアクションへの落とし込み
- フィードバックが単なる感想や評価だけでなく、具体的な指示や修正依頼を含んでいる場合は、それを具体的なTo Doリストとして書き出してみましょう。
- 例:「資料の〇ページ目のグラフの色を青から緑に変更する」「顧客へのメールの件名にもっと具体的に内容を示す言葉を加える」「明日の会議までに、この作業の進捗状況を確認しておく」など。
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自分で判断できること、判断に迷うことの区別
- フィードバックの中には、自分で判断して対応できるものと、さらに上司や関係者に確認・相談する必要があるものが含まれている場合があります。
- 例えば、資料の色の変更であれば自分で対応できるかもしれません。しかし、業務フロー全体の変更や、他部署との連携が必要な改善提案などは、自分だけで判断せず、報連相が必要になります。この区別をしっかり行うことが重要です。
ステップ3:対応計画を立て、必要に応じて相談する
フィードバックから具体的なアクションを整理したら、それらをいつ、どのように実行するか計画を立てます。この計画についても、必要であれば事前に相談を行います。
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対応計画の検討
- いつまでに何を完了させる必要があるのか、期日を確認します。
- 複数のフィードバックを受けた場合は、対応の優先順位を考えます。
- 計画を進める上で、何か追加で情報や資料が必要か、誰かの協力が必要かなども検討します。
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計画や不明点について相談する際の会話例
- (フィードバック内容を受けて、対応方針を相談する場合) 「先日ご指摘いただきました〇〇の件ですが、フィードバックを踏まえ、△△のように対応を進めようと考えております。この方針で問題ないか、一度ご確認いただけますでしょうか。」
- (対応に迷う場合) 「△△の件でご助言いただきありがとうございます。どのように対応するのが最も適切か判断に迷っております。もしよろしければ、いくつか対応案を検討し、改めてご相談させていただいてもよろしいでしょうか。」
- (追加で情報が必要な場合) 「〇〇のフィードバックに関しまして、作業を進めるにあたり、過去の関連資料を参照させていただきたいのですが、どちらで確認できますでしょうか。」
ステップ4:対応状況と結果を報告する
フィードバックに基づいた対応を進めたら、その状況や結果を適切に報連相します。これは、フィードバックをしっかりと受け止めて業務に活かしていることを伝える機会でもあります。
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対応中の進捗報告
- 対応に時間がかかる場合や、途中で新たな課題が見つかった場合は、適宜進捗を報告します。これにより、上司は状況を把握でき、必要に応じてアドバイスや指示を出すことができます。
- 「〇〇の件について、フィードバックを受けてから△△の作業に着手しております。現在□□の段階まで進んでおりますが、◎◎に少々時間がかかっております。」のように、具体的に伝えます。
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対応完了後の結果報告
- フィードバックに基づいた修正や対応が完了したら、その結果を報告します。修正した資料や完了した作業について、具体的にどのような変更を行ったのかを簡潔に伝えます。
- 「先日フィードバックいただきました資料の△△の部分について、ご指摘いただいた点を踏まえ修正いたしました。〇ページ目のグラフの色を緑に変更し、表現が曖昧だった箇所も分かりやすくなるよう修正しております。ご確認いただけますでしょうか。」
- 「〇〇の作業が完了いたしました。フィードバックいただいた効率的な方法を試した結果、以前よりスムーズに進めることができました。」
具体的な場面での報連相例
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資料修正へのフィードバック後
- 上司:「この資料、少し表現が分かりにくい箇所があるね。特に〇ページ目の△△の部分、もう少し具体的に書いた方が良いよ。」
- あなた(ステップ1・2):メモを取り、どの部分をどう具体的にするかを整理する。不明なら質問する。
- あなた(ステップ4):修正後、「先日フィードバックいただきました資料の〇ページ目、△△の部分を修正いたしました。具体的な表現に改めておりますので、ご確認いただけますでしょうか。」と報告する。
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作業方法へのフィードバック後
- 上司:「この作業、今のやり方だと時間がかかっているようだね。◎◎のように進めると、もっと効率が良いかもしれないよ。」
- あなた(ステップ1・2):フィードバックされた新しい方法を理解する。なぜ効率が良いのか、自分の作業にどう適用できるかを考える。
- あなた(ステップ3):新しい方法で進める計画を立てる。もし試すのに何か準備や手順確認が必要なら相談する。
- あなた(ステップ4):実際に新しい方法で作業を進めた結果を報告する。「先日ご助言いただいた◎◎の方法を試しております。まだ慣れませんが、確かに以前より効率的に進められていると感じています。今後もこの方法で進めていきたいと考えております。」のように伝える。
よくある疑問と対応
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Q: フィードバックの意味がどうしても理解できません。どうすれば良いでしょうか?
- A: 一度聞いただけで理解できないことは自然なことです。複数の視点から質問してみましょう。「〇〇という理解で合っておりますでしょうか?」と自分の解釈を伝えたり、「具体的に例を挙げていただけますでしょうか?」と具体的な状況で説明をお願いしたりすると理解が進むことがあります。それでも難しい場合は、一度持ち帰って調べたり、他の先輩に相談したりすることも検討できます。
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Q: 複数のフィードバックを受けて、何から手をつければ良いか混乱しています。
- A: 全てを同時に完璧に対応するのは難しい場合があります。フィードバック内容を書き出し、期日や重要度に応じて優先順位をつけてみましょう。優先順位の判断に迷う場合は、上司に「いただいたフィードバックについて、優先して対応すべき点を教えていただけますでしょうか。」と相談することも有効です。
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Q: フィードバックの内容に、正直納得がいかない部分があります。
- A: まずはフィードバックの意図を正確に理解するよう努めます。その上で、もし懸念点や異なる視点がある場合は、感情的にならず、客観的な事実や理由に基づいて冷静に伝えることが重要です。「〇〇という点について、△△と考えておりましたが、ご指摘を踏まえると、□□の視点も重要だと分かりました。ただし、◎◎という点について、もしよろしければご意見を伺えませんでしょうか。」のように、敬意を持って質問や意見を述べます。一方的に反論するのではなく、あくまで「より良い結果を出すために」という前向きな姿勢を示すことが大切です。
まとめ
上司からのフィードバックは、業務を改善し、自身のスキルを高めるための貴重な機会です。フィードバックを受けた際は、内容を正確に理解し、具体的なアクションに落とし込み、計画的に実行し、その状況と結果を適切に報連相することが、成長につながります。
不明な点はそのままにせず、遠慮せずに質問・相談すること、そして対応状況を適宜報告することが、円滑なコミュニケーションと信頼関係の構築に役立ちます。このステップを参考に、フィードバックを活かした「完璧報連相」を目指してください。