これで一歩踏み出せる!新社会人のための不慣れなタスク着手と報連相の基本
新社会人として業務を遂行する中で、初めて経験するタスクや、これまでの知識だけではどのように進めて良いか分からない業務を任されることがあるかもしれません。そのような時、どのように最初の一歩を踏み出し、上司や先輩に適切に報連相すれば良いか、戸惑うこともあるかと思います。
不慣れなタスクも、適切な報連相を行うことでスムーズに進め、着実に完了させることができます。ここでは、新社会人が不慣れなタスクを任された際に、自信を持って着手し、効果的な報連相を行うための基本的なステップをご紹介します。
ステップ1:依頼内容を正確に理解する
タスクを任されたら、まずその内容を正確に理解することが最も重要です。何のためにこのタスクを行うのか、最終的にどのような状態になれば完了なのか、期日はいつなのかなどをしっかり把握します。
- 目的と背景の確認: なぜこのタスクが必要なのか、どのような状況で発生したのかを知ることで、タスクの重要性や意図をより深く理解できます。
- 具体的な成果物の確認: 最終的にどのようなもの(資料、データ、連絡など)を完成させる必要があるのかを明確にします。
- 期日の確認: いつまでに完了させる必要があるのかを確認します。もし途中で報告や確認の必要がある場合は、その期日も合わせて確認します。
- 進め方の確認: もし特定の進め方が指定されている場合は、その手順を確認します。指定がない場合でも、過去の事例や参考資料があるかを確認すると良いでしょう。
この段階で少しでも曖昧な点があれば、必ずその場で、または落ち着いてから早めに質問して確認します。
確認・質問の会話例:
自分:「〇〇の件、承知いたしました。ありがとうございます。
恐れ入ります、いくつか確認させていただけますでしょうか。
このタスクは、△△の会議で使用する資料作成でよろしいでしょうか?」
上司:「そうだ、その認識で合っているよ。」
自分:「ありがとうございます。最終的な成果物としては、□□のような形式で提出すればよろしいでしょうか。また、期日は明日午前中まで、という理解で合っていますでしょうか?」
上司:「その形式で問題ない。期日も合っているよ。」
自分:「承知いたしました。このタスクを進めるにあたり、何か参考になる資料や、過去に作成されたものなどはございますでしょうか?」
上司:「ああ、以前似たような資料を作ったことがあるから、後でデータ共有するね。」
自分:「ありがとうございます。助かります。確認事項は以上になります。早速着手いたします。」
ステップ2:最初の一歩を踏み出し、着手したことを報連相する
依頼内容を理解したら、まずは最初の一歩を踏み出します。不慣れなタスクの場合、完璧な進め方やゴールが見えないこともあるかもしれません。しかし、考えすぎて立ち止まってしまうよりも、まずは手をつけてみることが重要です。
- まずは着手: 情報を集める、関連しそうな資料を開いてみる、指示されたツールを立ち上げてみるなど、小さなことからで良いので始めます。
- 簡単な計画を立てる: どのようにタスクを進めるか、ごく簡単な段取りを考えます。例えば、「まずは資料を集めて内容を把握する」「次に資料の構成案を考える」など、最初の数ステップで構いません。
- 着手したことと簡単な計画を報告: タスクに取り掛かったこと、そしてどのように最初のステップを進めるかを上司に報告します。これにより、上司は「タスクが滞りなく始まっている」と安心できますし、もし計画にズレがあれば早い段階で修正の指示を得られます。
着手報告・計画報告の会話例:
自分:「〇〇部長、先ほどご指示いただきました△△の件、早速着手いたしました。」
上司:「おお、もう始めてくれたんだね。ありがとう。」
自分:「はい。まずは、いただいた参考資料を拝見し、全体の流れを掴んでいるところです。この後、資料に必要な情報を集め、明日の午前中に一度簡単な構成案を作成する、という段取りで考えております。この進め方で問題ございませんでしょうか?」
上司:「うん、その進め方で大丈夫だ。何か不明な点があれば、いつでも聞いてね。」
自分:「ありがとうございます。承知いたしました。」
チャットでの報告例:
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
先ほどご指示いただいた△△の件について、早速着手いたしました。
まずは、参考資料を拝見し、全体の流れを把握いたします。
その後、必要な情報を集め、明日の午前中に簡単な構成案を作成する予定です。
この進め方で問題ございませんでしょうか。
ステップ3:進行中の状況と、発生した疑問点を報連相する
不慣れなタスクを進める中で、必ずと言っていいほど壁にぶつかったり、新たな疑問点が出てきたりします。そこで立ち止まらず、適切なタイミングで報連相することが重要です。
- 定期的な進捗報告: タスクが一定の段階まで進んだ際や、指示された中間報告の期日になった際に、どこまで進んだか、次に何をするかを報告します。
- 疑問点・問題点の報告と相談: 「このデータが見つからない」「指示された方法ではうまくいかない」「次にどう進めば良いか分からない」といった疑問や問題が発生したら、一人で抱え込まずに、状況と合わせて上司に報告し、アドバイスや指示を仰ぎます。自分で考えた案がある場合は、それも伝えて相談できます。
中間報告・疑問点報告の会話例:
自分:「〇〇部長、△△の件の進捗をご報告いたします。」
上司:「はい、お願いします。」
自分:「はい。参考資料の確認は完了し、全体の流れを掴むことができました。今、必要な情報を集めている段階なのですが、□□に関するデータがどうしても見つからず、作業が一時的に滞っております。部署内の共有フォルダも確認したのですが…。」
上司:「ああ、そのデータなら確か〇〇さんが持っていたと思うよ。一度〇〇さんに確認してみてくれるかい?」
自分:「そうだったのですね。ありがとうございます。すぐに〇〇さんに確認してみます。もしデータが見つかりましたら、この後引き続き情報収集を進め、明日の午前中に構成案作成に取り掛かる予定です。」
上司:「分かった。困った時は遠慮なくまた報告してね。」
自分:「ありがとうございます。承知いたしました。」
チャットでの報告例:
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
△△の件の進捗をご報告いたします。
参考資料の確認は完了し、全体の流れは掴めました。
現在、必要な情報を集めている段階なのですが、□□に関するデータが見つからず、先に進めない状況です。
共有フォルダも確認しましたが、見当たりませんでした。
このデータについて、何か心当たりや、確認すべき場所などございますでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、ご教示いただけますと幸いです。
ステップ4:タスク完了の報連相と、次のアクションの確認
タスクが完了したら、必ずその旨を上司に報告します。不慣れなタスクほど、完了したこと、そしてどのように完了させたのかを伝えることが重要です。
- 完了報告: タスクが完了したこと、成果物がどこにあるか(ファイル名や場所など)を明確に伝えます。
- 成果物の確認依頼: 可能であれば、成果物を確認してもらえるようお願いし、フィードバックをもらう機会を作ります。
- 次のアクションの確認: そのタスクに関連して、自分が行うべき次のアクションがあるかを確認します。「他に行うべきことはありますか?」など、次に繋がる問いかけをすることで、自身の行動を明確にできます。
完了報告の会話例:
自分:「〇〇部長、先ほどご指示いただきました△△の件、完了いたしました。」
上司:「おお、早いね。ありがとう。」
自分:「はい。資料は完成し、先ほど共有フォルダの△△というファイル名で保存いたしました。お時間のある際に、内容をご確認いただけますでしょうか。」
上司:「分かった。後で確認するよ。」
自分:「ありがとうございます。この△△の資料に関して、私が今後行うべきことはございますでしょうか。それとも、この件は一旦完了で、他の業務を進めてよろしいでしょうか?」
上司:「この件はひとまず完了で大丈夫だ。ありがとう。次は〇〇のタスクをお願いしたいんだけど、少し時間あるかい?」
自分:「はい、時間ございます。お願いいたします。」
チャットでの報告例:
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
先日ご指示いただいた△△の件について、資料作成が完了いたしました。
資料は共有フォルダの△△(ファイル名)に保存しております。
お時間のある際に、内容をご確認いただけますでしょうか。
この件について、私が行うべき次のアクションはございますでしょうか。
ご確認よろしくお願いいたします。
新社会人が不慣れなタスクでよく抱える疑問・注意点
- どこまで自分で調べて、どこから質問すれば良いか? まずは自分で調べる努力をすることが大切です。ただし、何時間も調べても全く糸口が見つからない、調べ方が分からない、といった場合は、時間をかけすぎずに早めに相談しましょう。質問する際は、「〜について自分で調べたのですが、〇〇までは分かりました。しかし、その先の△△がどうしても分からず、□□の方法で進めようと考えておりますが、この方法でよろしいでしょうか?」のように、自分で調べた内容や考えを伝えると、より的確なアドバイスをもらいやすくなります。
- 質問することにためらいを感じる場合 不慣れなタスクで分からないことがあるのは自然なことです。間違ったまま進めてしまう方が、後々の修正に時間がかかったり、プロジェクト全体に影響を与えたりする可能性があります。早い段階での質問は、かえって効率を上げる行動と捉えられます。上司や先輩は、新社会人が分からないことを質問するのは当然と考えている場合がほとんどです。「お忙しいところ恐縮ですが」といったクッション言葉を使い、相手への配慮を示すことも効果的です。
- 「完璧」を目指しすぎない 不慣れなタスクでは、最初から完璧を目指すと、何から手をつけて良いか分からなくなり、結果的に何も進まない、という状況になりがちです。まずは「最初の一歩」を踏み出し、大まかな方向性や最初の計画を報連相し、確認を取りながら進める意識を持つことが大切です。完璧な報告よりも、タイミングを逃さず、状況を正確に伝えることの方が、不慣れなタスクにおいてはより重要になります。
まとめ
不慣れなタスクは、新社会人にとって成長の機会です。どのように着手し、どのように報連相するかを知っていれば、必要以上に不安を感じることなく、業務に取り組むことができます。今回ご紹介したステップ(依頼内容理解、着手報告、進行中の報連相、完了報告)を実践することで、タスクをスムーズに進められるだけでなく、上司からの信頼も得られるはずです。分からないことは積極的に質問し、着実にステップを踏んでいきましょう。