「このままじゃ難しいかも…」新社会人のための期日・内容変更の相談報連相ステップ
業務の期日や内容変更、どう相談すれば良いか
新社会人のうちは、任された業務に対して「この期日までに終わるか不安」「指示された通りに進めているが、もっと良いやり方があるのでは」と感じることがあるかもしれません。あるいは、業務を進める中で予期せぬ問題が発生し、当初の予定通りに進められなくなる可能性も考えられます。
このような時、「どうすれば良いのだろう」「期日や内容の変更をお願いしても良いのだろうか」と迷ってしまうことがあるものです。しかし、懸念を抱えたまま黙って作業を続けたり、自己判断で大幅な変更をしたりすることは、後々大きな問題につながる可能性があります。
重要なのは、「変更が必要かもしれない」と感じた早い段階で、適切に報連相を行うことです。特に「相談」は、自分一人では判断できないことや、関係者と調整が必要な場合に非常に有効な手段です。この記事では、期日や内容の変更を相談する際の具体的なステップと、どのような点に注意すべきかを解説します。
変更の相談が必要になるのはどのような時か
業務の期日や内容の変更について相談が必要になるのは、主に以下のような状況が考えられます。
- 当初の想定より時間がかかっている、またはかかりそうな場合
- 作業に慣れていないため、思ったよりも時間がかかっている
- 想定外のトラブルや複雑な工程が発生した
- 資料集めや準備に時間がかかっている
- 業務を進める中で問題や課題が見つかった場合
- 指示された手順で進めると不具合が生じることが分かった
- 前提となる情報に誤りがあった
- 作業を進める上で必要なものが手に入らない、または時間がかかる
- より良い方法や成果につながる別のやり方を思いついた場合
- 指示された方法よりも効率的で、かつ成果が高まる手順を思いついた
- 新しい情報や知識を得て、より適切な内容で進められるようになった
- 他の業務との兼ね合いで調整が必要になった場合
- 複数の業務が重なり、期日内に全てを完了するのが物理的に難しい
- 突発的な対応が必要な業務が発生し、既存業務に影響が出ている
- 依頼内容に不明点や矛盾点が見つかった場合
- 作業を進める上で指示内容だけでは判断できない部分がある
- 指示内容に明らかな矛盾や、前提との食い違いがある
これらの状況に気づいた際は、速やかに関係者への相談を検討することが大切です。
期日・内容変更の相談報連相ステップ
変更の相談を行う際には、場当たり的に伝えるのではなく、伝え方を事前に整理することが重要です。以下のステップを参考に準備を進めてみてください。
ステップ1:状況と必要な変更内容を整理する
まず、なぜ変更が必要なのか、現状はどうなっているのかを具体的に整理します。そして、具体的にどのような変更が必要なのか(期日をいつまで延ばしたいのか、作業内容のどこを変更したいのか、などを)明確にします。
- 現在の状況: どこまで進んでいて、何が問題なのか。
- 問題の原因: なぜ当初の予定通りに進まないのか。
- 必要な変更内容: 期日、作業範囲、方法など、具体的にどう変えたいか。
- 変更が必要な理由: 変更しない場合にどのような問題が発生するか。変更することでどのようなメリットがあるか。
ステップ2:相手に伝える準備をする
伝える内容が整理できたら、次に相手に伝えるための準備をします。
- 伝えるべき情報の準備: ステップ1で整理した内容を、簡潔に伝えられるように準備します。資料やデータがある場合は用意しておくと、より状況が伝わりやすくなります。
- 伝えるタイミングの検討: 変更の可能性に気づいた時点で、できるだけ早く相談することが重要です。遅くなればなるほど、対応が難しくなる場合があります。
- 伝える手段の検討: 緊急度や内容の重要度によって、対面、電話、ビジネスチャット、メールなど、適切な手段を選びます。緊急度が高い場合は口頭や電話で、情報量が多い場合はメールが適しているなど、状況に応じて判断します。
ステップ3:相談として切り出す
相手の状況を確認し、話しかけても大丈夫か確認します。忙しそうな場合は、「少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」「ご相談したいことがあるのですが、今お話しできますでしょうか」のように、相手の状況を伺いながら切り出します。
ステップ4:状況と理由を具体的に伝える
相談の時間をいただけたら、まずは現在の状況と、なぜ変更が必要なのか、その理由を具体的に伝えます。感情的にならず、客観的な事実に基づいて説明することが信頼につながります。
- 「〇〇の件についてご相談させてください。」
- 「現在、〇〇の作業を進めておりますが、△△という問題が発生しており、当初想定していたよりも時間がかかっております。」
- 「具体的には、〇〇の部分で××が必要となり、このままですと予定していた期日である〇月〇日までの完了が難しい可能性があると考えております。」
ステップ5:提案する変更内容を伝える
状況と理由を伝えた後、具体的にどうしたいかを明確に伝えます。単に「できません」「間に合いません」と伝えるだけでなく、自分なりの代替案や希望する変更内容を添えることが重要です。
- 「つきましては、期日を〇月〇日まで延長することは可能でしょうか。」
- 「または、もし期日厳守でしたら、作業内容の〇〇を省略するといった代替案も考えられますが、いかがでしょうか。」
- 「あるいは、この部分の作業を別の方法(具体的に説明)に変更させていただければ、より効率的に進められると考えておりますが、いかがでしょうか。」
複数の選択肢を示すことで、相手も状況を把握しやすくなり、判断や指示を出しやすくなります。
ステップ6:判断や指示を仰ぐ
提案を伝えたら、相手に判断や指示を仰ぎます。「どのように進めるべきか、ご指示いただけますでしょうか」「こちらの提案で問題ないか、ご確認いただけますでしょうか」のように、相手の意見や決定を求める姿勢を示します。
ステップ7:相談結果を確認し、次アクションを明確にする
相手からの指示や承認内容を正確に理解することが重要です。必要に応じて復唱したり、「〇〇ということでよろしいでしょうか」と確認したりします。そして、自分が次に何をすべきか、具体的な次のアクションを明確にします。
- 「ありがとうございます。では、期日を〇月〇日に変更し、進めてまいります。」
- 「承知いたしました。期日は変えずに、作業内容の〇〇を省略して進めます。」
- 「〇〇について、△△さんの指示に従い、××のように進めます。」
具体的な場面別会話例
例1:期日変更の相談(対面または電話)
あなた: 「〇〇の件で、少々ご相談したいことがあるのですが、今お時間よろしいでしょうか。」 相手: 「はい、大丈夫ですよ。どうしましたか。」 あなた: 「ありがとうございます。現在、ご指示いただいた〇〇の資料作成を進めております。先日の打ち合わせでいただいた△△のデータについて確認を進めているのですが、一部整合性が取れない箇所があり、現在その原因を特定し、修正に時間を要しております。」 あなた: 「このままですと、当初予定しておりました〇月〇日の期日までに、正確な資料を完成させるのが難しい可能性が出てまいりました。」 あなた: 「つきましては、大変恐縮なのですが、期日を〇月〇日まで延長することは可能でしょうか。もし期日厳守でしたら、作業内容の〇〇の部分を優先し、△△の部分は簡略化するといった代替案も検討可能ですが、いかがでしょうか。」 相手: 「なるほど、状況は分かりました。△△のデータの件ですね。期日については…」 (相手の指示や判断を聞く) あなた: 「(相手の言葉を受けて)ありがとうございます。では、期日は〇月〇日まで延長ということで、進めてまいります。または、〇〇(指示内容)ということですね。承知いたしました。」
例2:作業内容変更・追加の提案(ビジネスチャットまたはメール)
件名:〇〇の件:作業内容に関するご相談([あなたの名前])
本文: 〇〇さん
お疲れ様です。〇〇です。 先日ご指示いただいた△△の作業について、一点ご相談させていただけますでしょうか。
現在、指示いただいた手順で作業を進めております。 その中で、関連する資料を調査したところ、××といった最新の情報があることに気づきました。 もし、この最新情報を□□という形で作業に含めることができれば、成果物の精度がより高まると考えられます。
作業時間は、現在の想定より1時間ほど追加で必要になる見込みです。 つきましては、この最新情報を盛り込むことを検討してもよろしいでしょうか。 もし、作業時間や期日に影響が出るため難しい場合は、現在の手順通りに進めます。
ご判断いただけますでしょうか。 よろしくお願いいたします。
署名
よくある疑問・課題への対応
- 「相談して迷惑がられないか不安」
- 問題や懸念は、早期に共有するほど、相手も対策を立てやすくなります。手遅れになる前に相談することは、むしろ責任ある行動と評価されることが多いものです。具体的な状況と代替案を添えて相談する姿勢は、相手に与える印象を良くします。
- 「どう伝えれば失礼にならないか」
- 丁寧な言葉遣いを心がけ、「〜の件でご相談させてください」「大変恐縮なのですが」といったクッション言葉を適切に使うことが大切です。また、「できません」と断定するのではなく、「〜という状況で、このままですと難しい可能性があるため、〜をご相談させていただけますでしょうか」のように、状況説明と相談の形をとることが有効です。
- 「まだ確定ではないが、相談しても良いか」
- 問題が完全に確定する前に、「〜という懸念があります」「〜という兆候が見られます」といった形で相談することも重要です。早期に懸念を共有することで、未然に問題を回避したり、影響を最小限に抑えたりできる場合があります。
まとめ
業務の期日や内容に変更が必要かもしれない、と感じた時の報連相は、新社会人にとって難しく感じられるかもしれません。しかし、これは決してネガティブなことではなく、業務をより正確に、よりスムーズに進めるために必要なコミュニケーションです。
状況を正確に把握し、必要な変更内容とその理由を整理し、具体的な代替案や希望を添えて、相手に相談する。そして、相手の判断を仰ぎ、次の行動を確認する。これらのステップを丁寧に踏むことで、自信を持って変更の相談を行うことができるようになります。
早期に適切な報連相を行うことは、自分自身の業務を円滑に進めるだけでなく、チーム全体の連携を高め、信頼関係を築く上でも非常に重要です。今回ご紹介したステップや会話例が、日々の業務における報連相の一助となれば幸いです。