「終わりました」だけじゃない!新社会人のための次に繋がる完了報告ステップ
完了報告のその先へ:次に繋がる報連相の重要性
新社会人の皆様にとって、任されたタスクを完了させた後の報告は、一つの区切りとして重要です。しかし、「終わりました」と伝えるだけの報告では、情報共有としては十分でも、その後の業務やご自身の成長に繋がりにくい場合があります。
報連相は、単に状況を伝えるだけでなく、円滑な業務遂行や関係構築、そしてご自身の評価にも関わる重要なコミュニケーションです。特に完了報告は、業務の成果を示す機会であると同時に、タスクを通じて何を得たかを伝え、次にどう活かせるかを共有するチャンスでもあります。
この記事では、単なる「終わりました」で終わらない、「次に繋がる」完了報告の方法について、具体的なステップと例文を交えて解説します。このステップを実践することで、自信を持って主体的な報連相ができるようになり、周りからの信頼や評価にも繋がるはずです。
ステップ1:基本的な完了報告の要素を押さえる
まず、完了報告で最低限伝えるべき基本的な要素を確認します。これは、どのようなタスクの報告でも共通する土台となります。
伝えるべき基本的な要素は以下の通りです。
- タスク名/内容: 何が完了したのか、具体的なタスク名を伝えます。
- 完了した旨: 「完了しました」「終了しました」など、結果を明確に伝えます。
- 完了日時/期間: いつ完了したのか、あるいは予定通り完了したのかを伝えます。
- 結果/状況: タスク完了による結果や、現在の状況を簡潔に伝えます。
基本的な完了報告の例:
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口頭/チャット:
- 「〇〇に関する資料作成が終わりました。予定通り本日中に完成いたしました。」
- 「先日ご指示いただいた△△社へのメール連絡、完了しました。」
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メール: 件名:【完了報告】〇〇に関する資料作成(氏名)
〇〇部長
お疲れ様です。 本日ご指示いただきました、〇〇に関する資料作成が完了いたしました。 予定通り、本日17時に完成いたしましたのでご報告いたします。 資料は添付ファイルにてご確認いただけますでしょうか。
ご確認よろしくお願いいたします。
(署名)
まずは、この基本形を確実に伝えられるように練習しましょう。
ステップ2:「次に繋がる」情報をプラスする
基本的な完了報告に加えて、タスクを通じて得た情報や、今後の業務に活かせる要素をプラスすることで、報告の質が格段に向上します。どのような情報を加えるかは、タスクの内容や状況によって異なりますが、主に以下の要素が考えられます。
- タスクを通じての学びや気づき:
- 「〇〇の点で最初は戸惑いましたが、△△の資料を参照することで理解が進みました。」
- 「この作業では◇◇のツールが非常に効率的だと気づきました。」
- 課題や反省点、改善のヒント:
- 「□□の箇所で時間がかかってしまい、今後の課題だと感じております。」
- 「この作業フローは、△△のように改善することで、さらに効率化できるかもしれません。」
- 関連情報、次に行うべきことへの示唆:
- 「資料作成中、関連情報として××の件も確認いたしました。参考になるかと存じます。」
- 「このタスク完了に伴い、次のステップである△△に取り掛かろうと考えております。」
これらの要素を盛り込むことで、「単に言われたことをやった」だけでなく、「考えて行動した」「学びを得た」「次に繋げようとしている」という主体的な姿勢を伝えることができます。
プラスアルファを加えた完了報告の例:
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口頭/チャット:
- 「〇〇に関する資料作成が終わりました。予定通り本日中に完成いたしました。この作業を通じて、△△というツールの使い方を習得できたのが学びです。」
- 「先日ご指示いただいた△△社へのメール連絡、完了しました。先方の〇〇様にご返信いただいた際に、◇◇に関する情報も得られましたので、別途ご報告いたします。」
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メール: 件名:【完了報告】〇〇に関する資料作成(氏名)
〇〇部長
お疲れ様です。 本日ご指示いただきました、〇〇に関する資料作成が完了いたしました。 予定通り、本日17時に完成いたしましたのでご報告いたします。 資料は添付ファイルにてご確認いただけますでしょうか。
今回の資料作成では、△△という統計データを扱う箇所に時間を要しましたが、◇◇様からいただいたアドバイスを参考に無事作成できました。データの読み解き方について、今後さらに学びを深めたいと感じております。
ご確認よろしくお願いいたします。
(署名)
ステップ3:伝える上での注意点とポイント
「次に繋がる」情報をプラスする際に、いくつか注意すべき点があります。
- 簡潔にまとめる: 長々と説明せず、要点をまとめて伝えましょう。特に忙しい相手への報告では、結論を先に伝え、必要に応じて補足説明を加えるようにします。
- 事実と意見を分ける: 学びや気づき、課題などはご自身の考えですが、それを伝える際は、タスクの「事実」とご自身の「意見・感想」を明確に区別して話すよう意識します。「〇〇という事実から、△△だと感じました」「□□という状況でしたので、◇◇という課題があるかと存じます」のように伝えると、誤解を防ぎやすくなります。
- 提案は確認を求める形で: もし改善提案などを加える場合は、「このように改善できるかもしれません」「△△を試してみてはいかがでしょうか」のように、決定ではなく確認や検討をお願いする形で伝えます。「〇〇と考えておりますが、いかがでしょうか」「ご指示いただけますでしょうか」といった丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
- 相手の状況を考慮する: 相手が大変忙しい様子の場合は、まず基本の完了報告だけを簡潔に行い、プラスアルファの情報は後ほど改めて伝えるなど、配慮も必要です。
- 報告手段に応じた調整: 口頭やチャットではより簡潔に、メールではもう少し詳細に記述するなど、使うツールによって情報の粒度や表現を調整します。
よくある質問
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Q1:「どこまで詳しく書くべきですか?」 A1: 基本的には、相手がタスクの完了状況を理解し、次に何をすべきかを判断できる程度の詳細さが目安です。プラスアルファの情報は、タスクの重要度や関心度、相手の立場などを考慮し、簡潔にまとめます。迷う場合は、まず簡潔に伝え、質問されたら詳しく答えるという形でも良いでしょう。
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Q2:「失敗談や反省点は正直に報告すべきですか?」 A2: はい、正直に報告することが大切です。ただし、「失敗しました」で終わらせず、「〇〇の点で失敗しましたが、原因は△△だと考えられます。今後は◇◇のように気をつけます」といった形で、原因分析と今後の対策までセットで伝えるようにします。これにより、反省を次に活かそうとする姿勢を示すことができます。
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Q3:「毎回プラスアルファをつける必要はありますか?」 A3: 全てのタスクで高度な分析や提案まで含める必要はありません。簡単なタスクであれば、基本の完了報告で十分な場合もあります。重要なタスクや、学びの多いタスク、今後の業務に繋がりやすいタスクなど、プラスアルファの価値が大きいと感じる場合に重点的に実践することをお勧めします。
まとめ
新社会人の皆様が自信を持って業務に取り組むためには、報連相スキルの向上が欠かせません。特に完了報告は、自身の成長や評価に繋がる大切な機会です。
「終わりました」という基本的な報告に加え、タスクを通じて得た学び、気づき、課題、そして次に活かせる情報などを丁寧に伝えることで、あなたの報連相は単なる情報共有から一歩進んだ、「次に繋がる」主体的なコミュニケーションへと変わります。
今回ご紹介したステップとポイントを参考に、ぜひ日々の業務における完了報告で実践してみてください。きっと、周りからの信頼が増し、ご自身の成長を実感できるはずです。