完璧報連相マスター

チーム連携を強化!新社会人のためのメンバー間報連相ステップ

Tags: チーム連携, 情報共有, 報連相, 社内コミュニケーション, 新社会人

チームで仕事を進める上で、上司への報連相と同じくらい重要になるのが、チームメンバー同士の報連相です。メンバー間での適切な情報共有は、業務の重複を防ぎ、問題の早期発見に繋がり、結果としてチーム全体の生産性を高める基盤となります。

上司への報連相が「指示の実行状況や課題の報告、承認を得る」ことを主な目的とするのに対し、メンバー間での報連相は「円滑な連携、情報共有、相互協力」に重きを置きます。ここでは、新社会人の方が自信を持ってチームメンバーへ報連相を行うためのステップを解説します。

ステップ1:報連相の目的を明確にする

チームメンバーに報連相をする前に、なぜこの情報を伝える必要があるのか、その目的を明確にすることが重要です。主な目的としては、以下の点が挙げられます。

ポイント: 目的が曖昧なまま情報を伝えると、相手は何をすればよいか分からず、かえって混乱を招く可能性があります。

ステップ2:伝えるべき情報を整理する

報連相の目的が明確になったら、次に何をどのように伝えるかを整理します。

  1. 誰に伝えるか: その情報が必要なメンバーや、影響を受ける可能性のあるメンバーを特定します。無関係なメンバーにまで伝えると、情報過多となり負担をかけてしまうかもしれません。
  2. 何を伝えるか: 結論から伝え、その後に具体的な事実や状況、必要であれば自身の意見を述べます。専門用語を避け、平易な言葉で簡潔にまとめることが大切です。
  3. どのような影響があるか、何を期待するか: 相手の業務にどのような影響があるのか、この報連相によって相手に何を期待するのか(例:情報提供、アドバイス、具体的な作業の協力など)を明確に伝えます。

ステップ3:適切な手段とタイミングを選ぶ

報連相の目的と内容が整理できたら、次に伝える手段とタイミングを検討します。

ステップ4:具体的な伝え方(会話例)

ここでは、具体的な報連相の場面とその会話例を紹介します。

進捗共有の報連相

シチュエーション: 共同で進めているタスクの自分の担当部分が完了し、次の担当者へ引き継ぐ前。 会話例(チャット): 「〇〇さん、お疲れ様です。先日ご依頼いただいた△△の資料作成ですが、私の担当部分である情報収集と構成案作成が完了いたしました。ご確認いただけますでしょうか。次のステップである詳細作成に進んでいただけますと幸いです。」

シチュエーション: 共同で進めているタスクの進捗が、想定より時間がかかりそうな場合。 会話例(口頭): 「〇〇さん、少しお時間よろしいでしょうか。現在進めている△△の件ですが、情報収集に想定より時間がかかっております。現在◎◎まで進んでおりまして、明日午前中には完了できる見込みです。全体のスケジュールに影響が出ないよう調整いたしますが、念のため状況を共有いたしました。」

協力依頼の報連相

シチュエーション: 自身の業務で不明点があり、チームメンバーの専門知識を借りたい場合。 会話例(チャット): 「〇〇さん、お疲れ様です。一点ご相談がございます。△△のシステムについて、ログイン方法で不明な点があり、マニュアルを読んでも解決できませんでした。もしお分かりになるようでしたら、短時間で構いませんので、教えていただくことは可能でしょうか。」

シチュエーション: 特定の作業を手伝ってほしい場合。 会話例(口頭): 「〇〇さん、ご多忙のところ恐縮ですが、△△の資料作成でご協力をお願いできませんでしょうか。具体的には、過去の類似事例のデータ収集をお願いしたく考えております。お時間を少し頂戴してもよろしければ、詳細をご説明させてください。」

関連情報の共有報連相

シチュエーション: 自身の業務で得た情報が、他のメンバーの業務にも関連する可能性がある場合。 会話例(メール): 件名:【情報共有】△△案件に関するA社からの問い合わせについて

〇〇さん

お疲れ様です。 先日、私が担当しております△△案件におきまして、A社より下記に関する問い合わせがございました。


(具体的な問い合わせ内容を記載)

この件は、〇〇さんが担当されている□□案件にも関連する可能性がございますので、念のため情報共有させていただきます。 もし何かご不明な点がございましたら、お声がけください。

よろしくお願いいたします。

ステップ5:報連相後の確認と対応

報連相は、情報を伝えて終わりではありません。相手からの返答を確認し、必要に応じて次の行動に移ります。

  1. 相手の反応を確認: 相手が情報を理解したか、期待するアクションが実行されるかを確認します。不明な点があれば、さらに質問を重ねて認識のズレをなくします。
  2. 次のアクションを明確にする: 報連相の結果、次に自分が何をすべきか、または相手に何を求めるのかを明確にし、必要に応じて次の行動に移ります。例えば、協力を依頼した場合、相手からの回答を受けて具体的な作業の調整を行うなどです。

よくある質問と回答

Q1: 忙しそうなメンバーにどう声をかけるべきでしょうか?

A1: 相手の状況を配慮した切り出し方を心がけてください。例えば、チャットであれば「お忙しいところ恐れ入りますが、一点ご相談がございます。」と前置きし、口頭であれば「今、少しお時間よろしいでしょうか。」と尋ねてから用件を伝えます。用件は簡潔に伝え、もし時間がなければ、改めて都合の良い時間を尋ねる姿勢を示すと良いでしょう。

Q2: どこまで詳しく伝えれば良いか迷います。

A2: 相手の業務への影響度や、相手がその情報をもとに何らかの行動をする必要があるかどうかを基準に判断してください。相手が意思決定や次の行動に移るために必要な情報を、過不足なく伝えることが重要です。詳細な説明が必要な場合は、「もし詳細が必要でしたら、別途お話しさせてください」と伝えて、相手の必要に応じて追加説明する余地を残すことも有効です。

Q3: ビジネスチャットと口頭の使い分けに迷います。

A3: * ビジネスチャット: * 向いているケース: 記録を残したい内容、緊急性の低い連絡、簡単な確認、複数人への一斉共有、相手の状況を気にせず送れる連絡。 * 注意点: 感情やニュアンスが伝わりにくい、情報が流れて見落とされやすい。 * 口頭: * 向いているケース: 緊急性が高い内容、複雑で説明に時間がかかる内容、感情やニュアンスを伝えたい内容、その場で議論して結論を出したい場合。 * 注意点: 記録が残らないため、後から確認が必要な場合は別途メモを取る、メールで補足するなどの対応が望ましいです。相手の状況を確認してから話しかける配慮も必要です。

まとめ

チームメンバーへの報連相は、単なる情報伝達に留まらず、チーム全体の生産性向上と信頼関係構築に不可欠なスキルです。目的を明確にし、情報を整理し、適切な手段とタイミングで伝えることで、チームワークはより強化されます。

新社会人の方々が積極的にチームメンバーと連携し、報連相を実践することで、自身もチームも共に成長していくことができるでしょう。